ラグビーW杯の雄、オールブラックスの「2つのハカ」の意味は?

カパ・ハカはニュージーランド人の心

Fabrizio Andrea Bertani / Shutterstock.com

ラグビーワールドカップ2019日本大会は、日本代表の決勝トーナメント進出で大きな盛り上がりを見せています。強豪揃いのベスト8ですが、中でも世界ランキング1位、前大会を含め、過去3回の優勝を果たしているニュージーランド代表のオールブラックスは日本でも人気。ラグビーの実力だけでなく、試合に先立って相手の前で「ハカ」を披露することでも有名です。

勇猛で威嚇するようなオールブラックスの「ハカ」。彼らのハカにはどんな意味があるのでしょうか。

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先住民マオリの伝統的なダンス、ハカ

ハカはニュージーランドの先住民であるマオリの伝統的なダンスの総称を指すマオリ語の言葉です。グループでの踊りを「カパ・ハカ」と呼び、男女共に音楽や詠唱にあわせて踊ります。いくつか種類があり、ケース・バイ・ケースでふさわしいハカを選びます。その1つが戦士のためのもの。オールブラックスが試合前に披露することで知られています。

選手たちは精神的にも身体的にも奮起して、差し迫った戦い、つまり試合に臨めるよう、ハカを踊ります。有名なハカに『カマテ』と呼ばれるものがあります。オールブラックスが最初に踊ったハカとして有名です。19世紀初めに、一部族の長、テ・ラウパラハが創ったもので、ストーリーがあります。

敵に追われたテ・ラウパラハは、別の部族の長、テ・ファレランギにかくまってもらい、クマラ(サツマイモの一種)を貯蔵した穴の中に隠れます。そしてテ・ファレランギの妻に穴の上に座ってもらったところ、女性が持つ霊的な力と、食べ物が持つ霊的な力があいまって、敵を追い払い、テ・ラウパラハは助かるというストーリーです。

穴の中でテ・ラウパラハが唱えた言葉が、「カマテ・カマテ(私は死ぬ、私は死ぬ)」と「カオラ・カオラ(私は生きる、私は生きる)」。『カマテ』の呼称や歌詞の一部になっています。

初戦で見せた、オールブラックスのためのハカ

9月21日、オールブラックスにとって今回のワールドカップ初戦となった南ア戦、スプリングボクスを相手に披露したのは、『カマテ』ではなく、『カパ・オ・パンゴ』というハカでした。どの試合で、どちらのハカを踊るかは、選手たちが試合前に決めるそうです。

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1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、仲間と各種メディアを扱う会社を創設、編集長を務める。
2002年に独立し、本格的に執筆活動を開始する。ニュージーランド航空やニュージーランド観光局の発行物やウェブサイトを手始めに、現在は国内はもとより他の英語圏の国々における環境、ビジネス、子育て/教育、文化、テクノロジーといった分野について、多岐にわたる媒体に寄稿。海外在住日本人ジャーナリスト集団「Global Press」所属。