4. 就業促進特例加算は「年収の壁」が解消するまでの時限的な措置とされている

大綱(案)は、この加算を恒久的なものとしては位置づけていません。

4.1 解消に向けた取組は次期年金法改正までに結論を得るとされている

大綱(案)は、検討等の項目として、国民年金第3号被保険者に係る制度の見直しと、厚生年金保険および健康保険の適用範囲の拡大の更なる推進その他の就業支援・関連制度の改革について検討し、次期年金法改正までに結論を得るとしています。

就業促進特例加算は、この取組により「年収の壁」が解消するまでの時限的な措置として書かれています。

4.2 加算の額は総合的なバランス等を勘案して定めるとされている

加算の額については、「年収の壁」に直面する方に手厚い給付を行うことと、それ以外の方に対する給付を含めた総合的なバランス等を勘案して定める、と書かれています。

金額そのものは大綱(案)の段階では示されていません。

5. 令和9年度と令和10年度は社会保険料控除額により適用するとされている

先行して実施される2年度分については、別の注記が置かれています。

令和9年度および令和10年度の支援金については、純負担基準額と就業促進特例加算について、社会保険料控除額により適用すると書かれています。

本格導入までに把握できる所得の情報に差があるため、当面は既存の控除額を使う形が想定されているということです。

6. 【元銀行員の視点】いまの段階で確かめておけること

加算の額が示されていない以上、金額の試算はできません。それでも確かめておけることはあります。

6.1 自分が被用者保険の適用対象かどうかを知っておく

要件はどちらも被用者保険の適用を起点にしています。勤務先で社会保険に加入しているかどうかが、そのまま出発点になります。

給与明細で健康保険料と厚生年金保険料が引かれているかを見れば確かめられます。

6.2 額面ではなく手取りで比べる習慣にしておく

大綱(案)が「可処分所得の減少が回復する水準」という書き方をしているとおり、判断の材料になるのは手取りです。

働く時間を変えるときは、額面の増減ではなく、差し引かれたあとの金額で比べておくと、制度が固まったときにも読み替えやすくなります。

7. まとめにかえて

就業促進特例加算は、就業者負担軽減支援金に上乗せされる加算として大綱(案)に書かれました。

対象になるのは、勤労所得が被用者保険の短時間労働者の適用ラインから手取りが回復する水準までの範囲にあり、被用者保険の適用に伴う社会保険料相当額を支払った人です。

ただし加算の額は示されておらず、「年収の壁」が解消するまでの時限的な措置とされています。大綱はまだ案の段階です。

社会保険の適用や税の取扱いが自分にどう当てはまるかは、勤務先の担当部署や、お住まいの市区町村の担当窓口、所轄の税務署に確認してみましょう。

参考資料

中本 智恵