4. こども加算の対象は19歳未満、令和9年度と令和10年度は16歳未満

扶養している子どもがいる場合の加算についても、大綱案に年齢が書かれています。本格導入とそれまでの2年間で範囲が違います。

4.1 扶養児童は19歳未満の居住者である扶養親族と定義されている

大綱案は、扶養児童を「19歳未満の居住者である扶養親族」と定義しています。

扶養児童がある場合には、所得に応じて算定した支援額に加えて、扶養児童の有無と数に応じた定額のこども加算を支給するとされています。

こども加算の額は、諸外国と日本の純負担率の差を踏まえつつ、支援基本額と併せて検討して定めるとされ、こちらも金額は入っていません。

4.2 先行して実施される2年間は16歳未満に限られる

一方、令和9年度と令和10年度の支援金については、扶養児童を16歳未満の扶養親族とするという注が付いています。

令和8年8月5日の基本方針は、16歳から18歳までの被扶養者の情報を把握する仕組みが追加で必要になると説明していました。その環境が整う見込みの令和11年度から、範囲が広がるという流れです。

5. パートタイム労働者の給与はいまどの水準にあるのか

支援額の区切りに出てきた119万円や106万円が、実際の賃金とどのくらい離れているのかも見ておきます。厚生労働省の毎月勤労統計調査の最新の数字です。

5.1 所定内給与は月11万3843円、時間当たりは1460円

2026年9月8日に公表された毎月勤労統計調査の2026年7月分結果速報によると、事業所規模5人以上の1人平均の賃金は次のとおりでした。

  • 就業形態計の現金給与総額:43万6401円
  • 一般労働者の現金給与総額:57万8123円
  • パートタイム労働者の現金給与総額:12万3493円
  • パートタイム労働者の所定内給与:11万3843円
  • パートタイム労働者の時間当たり給与(所定内給与):1460円

1人平均の月間現金給与額(2026年7月分・事業所規模5人以上)2/2

就業形態計と一般労働者、パートタイム労働者の月間給与額を比べた図

出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年7月分結果速報」を参考にLIMO編集部作成

5.2 時間当たり給与は最低賃金の水準を上回っている

パートタイム労働者の時間当たり給与1460円は、前年同月比で5.7%の増加でした。

大綱案が106万円という数字を出すときに使った時給1023円は、令和7年度における全国で最も低い地域別最低賃金です。実際に働いている人の平均は、それを上回る水準にあります。

6. 支援額そのものは、まだ決まっていない

最後に、大綱案の段階で決まっていない部分を確認しておきます。

6.1 所得下限額・所得上限額・純負担基準額はあとから改定できる仕組み

大綱案は、所得下限額、所得上限額、純負担基準額について、税や社会保障の関連制度の改正や国際比較の分析、制度導入の効果など施行の状況を定期的に検証し、必要があると認めるときは改定するとしています。

支援額、逓増開始額、逓増終了額、逓減開始額についても同じ扱いです。

また、国はウェブサイトで受給資格者が自ら支援額を算定できる仕組みを構築し、コールセンターでも支援見込額を案内できるようにするとされています。

自分の勤労所得がどの区分にあたるか、支援の対象になるかについては、制度の詳細が決まってから所管する窓口に確認してみましょう。

7. まとめ

令和8年9月11日の大綱案は、就業者負担軽減支援金の支援額の決め方を6つに分けて示しました。定額から始まり、逓増し、支援基本額になり、逓減して消える形です。

逓増開始額の目安として書かれたのは、単身者の個人住民税所得割の非課税限度額である所得45万円、給与収入119万円という水準でした。

「年収の壁」に直面する人への就業促進特例加算は、第3号被保険者制度の見直しなどで壁が解消するまでの時限的な措置とされています。

金額そのものはまだ入っていません。今後の検討と法制上の措置を待つ段階です。

参考資料

中本 智恵