3. ひとり暮らしの老後にいくら要るのか
医療費の備えを考える前に、日々の家計がどれだけ足りていないかを押さえておきます。
3.1 男性で約708万円、女性で約882万円
LIMOの記事「おひとりさまの老後資金は約708万〜882万円?高額療養費の上限についても解説」から引用します。
男性の場合(想定期間:19.68年)
- 1か月あたりの不足額:2万9980円
- 老後資金の必要額目安:約708万円
女性の場合(想定期間:24.52年)
- 1か月あたりの不足額:2万9980円
- 老後資金の必要額目安:約882万円
出所:LIMO「おひとりさまの老後資金は約708万〜882万円?高額療養費の上限についても解説」
月の不足額は同じ2万9980円ですが、想定期間が違うため必要額に差が出ます。65歳の平均余命を使った計算です。
3.2 この金額に医療費は入っていない
ここが大事なところです。この試算は家計調査の実支出をもとにしたもので、介護や入院といった一時的な支出は含んでいません。
高額療養費があるとはいえ、対象にならない食事代や差額ベッド代は自分で払います。約708万円から882万円という金額は、あくまで下限にあたります。
4. 備えるときの順番
まず、自分の年齢が70歳の前か後かを確認してください。合算にラインがあるかどうかが変わります。
次に、対象にならない費用を別に見積もります。食事代と差額ベッド代は限度額を超えても戻りません。
そして、日々の不足額に医療費の枠を上乗せして考えることになります。統計の必要額はそこを含んでいません。
5. まとめにかえて
高額療養費の自己負担額は医療機関ごとに計算し、医科入院・医科外来・歯科入院・歯科外来も別に数えます。調剤薬局の分は処方せんを発行した医療機関に合算します。
70歳未満は1つの医療機関で2万1000円以上の場合のみ合算でき、70歳以上はすべて合算できます。入院時食事療養費や保険外併用療養費の差額部分は対象外です。
おひとりさまの老後資金は、家計調査の実支出をもとにすると男性で約708万円、女性で約882万円が目安です。ただし医療や介護の一時的な支出は入っていません。合算のルールを知っておくと、その上乗せ分を見積もりやすくなります。
参考資料
LIMO編集部貯蓄解説班