国民年金の保険料は毎月同じ額を払うもの、と思っている人は多いはずです。

ところが払い方を選び直すだけで、2年分の負担が1万7370円変わります。まとめて前払いすると割引が適用されるためです。

この記事では、日本年金機構の資料をもとに口座振替の振替方法と割引額を確認したうえで、申し込んでから引き落としが始まるまでに何が起きるのかを見ていきます。

1. 【国民年金】払い方を選ぶだけで負担が変わる

口座振替は、指定した金融機関の預金口座から定期的に保険料を振り替えて納める方法です。納め忘れを防げるうえ、前納すれば割引もつきます。

1.1 振替方法は6種類ある

日本年金機構によると、口座振替の振替方法は6種類です。2年前納、2年前納(4月開始)、1年前納、6カ月前納、当月末振替(早割)、そして翌月末振替です。

2年前納は4月分から翌々年3月分まで、1年前納は4月分から翌年3月分まで、6カ月前納は4月分から9月分まで、または10月分から翌年3月分までをまとめて前払いします。

1回あたりの納付額と割引額を並べると、まとめる期間の長さがそのまま差になって出ます1/2

国民年金保険料の口座振替について、2年前納から翌月末振替までの1回あたりの納付額と割引額を令和8年度の金額で並べた図

出所:日本年金機構「口座振替でのお支払い」をもとにLIMO編集部作成

図の行数が5つなのは、2年前納と2年前納(4月開始)で1回あたりの納付額も割引額も同じだからです。機構の表も同じように1行にまとめています。

1.2 2年前納なら1万7370円の割引

令和8年度の金額で見ると、2年前納は1回あたり41万7150円で、割引額は1万7370円です。1年前納は21万530円で4510円、6カ月前納は10万6300円で1220円の割引になります。

この割引額は、納付書により毎月納付した場合と比較した額です。同じ2年分を毎月払うより、まとめたほうが1万7370円安く済むということになります。1年あたりに直せばおよそ8685円で、1年前納の4510円と比べても差がつきます。

なお同じ2年前納でも、納付書やクレジットカードでまとめる場合の割引額は令和8年度で1万6010円です。口座振替のほうが割引が大きくなります。

1.3 まとめられなくても月60円は下がる

前納するまとまった資金がない場合でも、当月末振替(早割)という選択肢があります。毎月の保険料を納付期限より1カ月早く振り替える方法で、1回あたり1万7860円、割引額は60円です。

翌月末振替は納付対象月の翌月末日に振り替える方法で、1万7920円。割引はありません。同じ口座振替でも、引き落とす日を1カ月早めるかどうかで差がつきます。

1.4 2年前納(4月開始)は2月末必着

前納も早割も、申し込み自体はいつでもできます。ただし直近の4月から2年前納を始めたい場合は、2年前納(4月開始)を選んだうえで、2月末必着で申出書を日本年金機構に提出する必要があります。

機構は、2月末日までに提出した場合でも、口座の確認に時間を要した場合など4月の口座振替に間に合わないことがあるとしています。その場合は5月末日に、割引のない4月分保険料と、5月分から翌々年3月分までの23カ月分の前納保険料を振り替えることになります。

振替日が土曜・日曜・祝日、年末年始にあたるときは、翌月最初の金融機関等の営業日が振替日になります。

1.5 申し込む月で、割引が始まる時期が変わる

いつでも申し込めますが、時期によって初回の振替期間が変わります。

6カ月前納の初回振替日が5月末日から9月末日までになる場合、9月分の保険料までは自動的に割引のない翌月末振替となり、10月末日から6カ月前納が始まります。2年前納(4月開始)の初回振替日が5月末日から当年度3月末日になる場合は、当年度3月分までが割引のない翌月末振替となり、翌年度の4月末日から2年前納が始まります。

つまり申し込む月によっては、割引が効き始めるまで数カ月から1年近く待つことになります。前納を狙うなら、開始したい4月または10月から逆算して動くところです。

1.6 手続きは書面でもオンラインでもできる

書面の場合は、申出書を年金事務所または振替を希望する金融機関の窓口に提出します。街角の年金相談センターでは手続きできません。

オンラインなら、マイナポータルを経由して「ねんきんネット」から申し込めます。印鑑レス口座やサインレス口座から振り替えたい場合は、こちらを使うことになります。

機構は、オンラインで申し込むと口座の確認に時間がかからず、すみやかに前納を開始できるとしています。開始時期を早めたい場合は、経路の選択そのものが効いてきます。

1.7 一部免除を受けている人は選べる方法が限られる

保険料が一部免除された人が使えるのは、翌月末振替のみです。前納や早割は選べません。

また、一部のインターネット専業銀行では口座振替そのものが利用できません。手続きの前に、口座振替可能金融機関一覧表で確認しておくところです。

なお、口座振替が始まるまでのタイムラグについては、LIMOの記事「国民年金の口座振替、申し込んでも開始まで1〜2か月かかる仕組みを編集部が整理。月の途中の切り替えで注意すべき支払いのタイムラグを解説」より一部を引用・参照しています。

国民年金の口座振替、申し込んでも開始まで1〜2か月かかる仕組みを編集部が整理。月の途中の切り替えで注意すべき支払いのタイムラグを解説
国民年金の口座振替、申し込んでも開始まで1〜2か月かかる仕組みを編集部が整理。月の途中の切り替えで注意すべき支払いのタイムラグを解説