3. 【ライフプラン相談の現場から】平均から逆算しても見込額には近づかない
相談の場では、公表されている平均額を手がかりに自分の見込額を組み立てようとする方によくお会いします。
3.1 平均年金月額には老齢基礎年金が含まれている
都道府県別の平均年金月額15万1142円は、老齢厚生年金だけの額ではありません。老齢基礎年金を含んだ額です。
この数値に4分の3を掛けても、遺族厚生年金の目安にはなりません。遺族厚生年金の計算に使うのは報酬比例部分だけで、基礎年金の部分は入らないためです。
3.2 平均は受け取っている人全体をならした数値
都道府県別の平均は、その地域で老齢年金を受け取っている方全員をならした数値です。加入期間が40年に近い方も、10年程度の方も同じ母数に入っています。
特定の世帯の見込額を推し量る用途には向きません。地域ごとの傾向を眺めるための数字と割り切るほうが、判断を誤らずに済みます。
4. 自分の「ねんきん定期便」を見ても配偶者の遺族年金は分からない?
では、見込額はどこで確かめればよいのでしょうか。
4.1 遺族厚生年金の計算に使うのは配偶者の加入記録
遺族厚生年金は亡くなった方の報酬比例部分から計算します。必要なのは配偶者の加入記録であって、自分あてに届くねんきん定期便に載っているのは自分の記録です。
自分のねんきん定期便をいくら見ても、配偶者が亡くなった場合の遺族厚生年金の見込額は出てきません。
4.2 年金事務所や街角の年金相談センターで確認する
加入記録の照会や相談は、年金事務所と街角の年金相談センターで受け付けています。相談の際は基礎年金番号が分かるものと本人確認書類が必要です。
日本年金機構は電話での予約相談も案内しています。あらかじめ予約しておくと、待ち時間を抑えて相談できます。
5. まとめ
遺族厚生年金の額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で計算します。計算式に住んでいる都道府県は入りません。
都道府県別に差が出ている平均年金月額は、老齢年金を受け取っている方の数値です。全国平均15万1142円に対し、神奈川県17万457円と青森県12万8129円で月4万2328円の差がありますが、これは受け取る本人の現役時代の報酬と加入期間の違いによるものです。
遺族厚生年金の見込額を知りたい場合は、平均から逆算するのではなく、配偶者の加入記録を確かめるのが近道です。年金事務所や街角の年金相談センターで相談してみてください。
参考資料
村岸 理美