先にご紹介した奏音さんのツイートはあっという間に2万を越えるRT、5万に届こうかという「いいね」がつき、「私も小さい頃から血管が見えなくて……」、「私も毎回穴だらけになるので参考にします」、「明日、病院でシェアします」など、奏音さん同様、血管が見つかりにくい人からのコメントもたくさんついています。
また、「温めると血管が浮きやすくなります」というアドバイスのコメントもあり、奏音さんご自身も採血の前には温かい飲みものを摂ったりカイロで温めたり、日頃から軽く腕立て伏せをするのだそうです。
腕が太い細いにかかわらず血管が見つかりにくい人はいるもので、それで困っている人は思いのほか多いのですね。その人たちが奏音さんのツイートに共鳴して、たくさんのRTや「いいね」につながったようです。
実は本稿の筆者も血管の走行が一般とは少し異なり、さらに身体のやや奥の方にあって、しかも針を刺したら逃げるというとても嫌な血管の持ち主です。春先の健康診断では初任の看護師さんや研修医さんを困らせてしまうので、ムカつくエピソードをすぐに思い出せるように用意しておこうと思います。
まとめ
本稿をお読みの血管が探しづらいみなさんに向けて、奏音さんは「殺意は抱かなくてもいいのでお気持ち程度に力を込めてあげてください」とおっしゃっています。
奏音さんの場合は握力の弱さも血管が見えにくい要因となっているそうですので「もっと憎しみ込めてー」と言われていますが、特に握力が弱いわけでもない人は殺意がこもるほど握らない方がいいようです。筆者はときどき力を込めすぎて「そんなに握らなくていいです」と言われます。
また、医師や看護師がいない場所でムカつくエピソードを思い出して血圧を上げてしまうことのないようお気をつけください。血管が探しづらいみなさんも、探すのに難儀なさる看護師さんも、針を刺す痛みやご苦労が少なくなりますように。
怒りや憎しみという感情はマイナス面も大きいですが、他者にぶつけるのではなく、奏音さんの採血エピソードのように、自身のために役立てることができるといいですね。
衛澤 創