大学に進むとき、4年間で学費がいくらかかるのかは、できるだけ早く知っておきたいところです。
文部科学省が公表した令和7年度の調査によると、私立大学の初年度学生納付金の平均は138万983円でした。国立大学の授業料は省令で標準額が定められており、年53万5800円です。
この記事では、国立・公立・私立それぞれの大学4年間の総額と、この20年で学費がどう変わってきたかを確認します。
1. 大学4年間の学費は国立・公立・私立でいくら違うか
大学の学費は、設置者によって決まり方がまったく違います。
まずは国立・公立・私立の順に、1年あたりの金額を見ていきましょう。
1.1 国立大学は省令で標準額が定められている
国立大学の学費は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」で標準額が定められています。大学の学部の場合、授業料の年額は53万5800円、入学料は28万2000円、検定料は1万7000円です。
ただし同省令の第10条には、特別の事情があるときは標準額に100分の120を乗じて得た額を超えない範囲で定めることができる、という規定もあります。実際の金額は志望する大学のホームページで確認が必要です。
1.2 公立大学の授業料は国立とほぼ同じだが、入学料は高い
文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、公立大学の令和7年度の平均額は授業料が53万6520円、入学料が38万2806円でした。
授業料は国立の標準額とほぼ同じ水準ですが、入学料は10万円ほど高くなっています。公立大学では、大学の所在地の地域外から進学する場合に入学料が高くなる例があり、この平均額はそれを含んだ数字です。
1.3 私立大学は授業料に加えて施設設備費がかかる
文部科学省「私立大学等入学者に係る初年度学生納付金等調査」の令和7年度の結果によると、私立大学の平均額は次のとおりです。
- 授業料:96万8069円
- 入学料:24万365円
- 施設設備費:17万2550円
- 初年度の合計:138万983円
私立大学では、授業料のほかに施設設備費がかかる点が国公立と異なります。入学料は24万365円で、公立大学の平均より低い水準です。
1.4 4年間の総額を並べると差は約238万円になる
授業料と施設設備費が4年間同じ額で続き、入学料は入学時の1回だけかかるとして計算すると、4年間の総額は次のようになります。
- 国立大学:242万5200円
- 公立大学:252万8886円
- 私立大学:480万2841円
国立と私立の差は237万7641円です。なお、ここには教科書代、通学費、ひとり暮らしをする場合の家賃や生活費は含まれていません。
国立・公立・私立、大学4年間でかかる学費の内訳1/3
出所:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」、e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」をもとにLIMO編集部作成
2. 授業料は上がっているが、入学料はむしろ下がっている
同じ調査には、国公私立の授業料等の推移も掲載されています。
20年前と比べると、学費の中身が変わってきたことがわかります。
2.1 私立大学の授業料は20年で13万7486円上がった
私立大学の授業料の平均は、平成17年度が83万583円、令和7年度が96万8069円でした。20年間で13万7486円の増加です。
直近でも、令和3年度の93万943円から令和7年度の96万8069円へと上がっています。
2.2 入学料は私立も公立も下がっている
一方、私立大学の入学料の平均は、平成17年度の28万33円から令和7年度は24万365円へと3万9668円下がりました。
公立大学の入学料も、平成17年度の40万1380円から令和7年度は38万2806円になっています。毎年かかる授業料が上がり、入学時に1回かかる入学料が下がるという動きです。
教育資金は、老後資金と違って必要になる時期がほぼ決まっています。銀行で資産運用のご相談をお受けしていたときも、この点を先に押さえた方は準備が進めやすい印象でした。
