2019年8月1日に行われた、株式会社カプコン2020年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社カプコン 取締役専務執行役員/最高財務責任者(CFO) 野村謙吉 氏
2-1.第1四半期 決算ハイライト(連結業績①)
野村:お暑いなか、お越しいただきましてありがとうございます。それでは、本日の取締役会で2020年3月期第1四半期の決算について決議を得ましたので、内容について説明させていただきます。
まず、連結経営成績ですが、売上高は179億3,800万円、前年対比で4.3パーセントの増収です。営業利益は77億300万円、前年対比で60.8パーセントの増益です。経常利益は76億9,900万円で、40.2パーセントの増益でした。そして、当期純利益は54億2,000万円で、38.9パーセントの増益でした。
2-2.第1四半期 決算ハイライト(財務状況)
連結財政状態ですが、純資産額は914億3,200万円です。全体の総資産が54億円ほど減少したこともありますが、自己資本率は77.5パーセントになっております。
なお、配当、当期の公表業績予想については変更ございません。
3-1.事業セグメント別概況(デジタルコンテンツ事業①)
内容について説明させていただきます。今回、(全体的な)売上高はほぼ前年並みでしたが、大きな増益になった最大の要因は、デジタルコンテンツビジネスでございます。
デジタルコンテンツビジネスは、前年同期の137億8,200万円に対して139億7,700万円です。実は、私どものコンテンツの販売におけるデジタル……いわゆる【2:21 段ボール販売?】の比率が昨年はだいたい50パーセントぐらいでしたが、当期は75パーセントと大きく割合が増加しております。
みなさんもご存知のように、【2:33 段ボール販売というのは】当然パッケージの製造コスト、あるいは流通段階でのマージン等が不要ですので、結果的にはこのデジタル販売の増大が売上原価の減少につながります。
この第1四半期において、私どものコアビジネスでありますコンテンツ販売は、販売本数で見ると、当社のタイトルについては前年同期で406万本でしたが、2019年度におきましては423万本で、17万本ほど増加しております。
また、当期の利益を持ち上げた要因はロイヤリティ、あるいは契約関係で一時的なものが入ったところもあり、特別な要因として利益に大きく貢献した状況になっております。
3-2.事業セグメント別概況(アミューズメント施設事業)
その他のビジネスですが、アミューズメント施設、ゲームセンタービジネスの売上も前年が23億8,100万円に対して27億1,000万円と、順調にビジネスの規模が拡大しております。また利益につきましても、1億4,300万円から2億9,900万円となり、ほぼ倍増です。新店舗展開も行っておりますけれども、オンラインビジネスのネットキャッチャーも含めて、この第1四半期については全般的に(好調で)集客力も前年を上回りましたし、おおむね順調に推移いたしました。
そしてアミューズメント機器ですが、売上高は(前年が)3億7,600万円だったのに対して、2億2,500万円ということで減収でございます。一方で、営業利益で見ますと前年は1億4,500万円の赤字でございましたが、当期は1億3,300万円の黒字でした。
3-3.事業セグメント別概況(アミューズメント機器事業)
主にパチスロ機の販売ビジネスになりますが、前年は新作の筺体販売があったものの、今期はございませんでした。
その代わりとして、ライセンスについてですが、私どものゲームキャラクターをコアビジネスで他社さんにライセンスアウトした売上が2億円ほどありました。当然、ライセンスアウトですので、原価はほとんどかかっておりません。それが利益になっているというのがアミューズメント機器(の状況)でございます。
3-4.事業セグメント別概況(その他)
その他のジャンルの売上は、前年同期が6億6,400万円だったものが10億2,500万円でした。主にライセンスビジネスで、とくに当社のゲームキャラクターを他社さんとコラボしたりしています。例えば、キャラクターをアパレルあるいは玩具、いわゆるフィギュアに展開するといったことで、ビジネスとしては順調に拡大していることが、この増収要因となっております。また利益も4億1,100万円から6億4,000万円で、順調に拡大しております。これが全体的な状況でございます。
財務諸表のところです。財政状態については最初に申し上げましたので、簡単にコメントさせていただきます。
まず、左側の総資産ですが、1,179億9,600万円ということで、3月末対比では54億円ほどの減少です。この最大の要因は、受取手形・売掛金が前期の3月末では139億7,000万円でしたが、これが42億8,200万円になったからです。
3月に発売しました「Devil May Cry(デビルメイクライ) 」というタイトルの売上が、前期末時点ですべて売掛金になっていましたが、この回収がすべて完了しているところで大きく減少いたしました。
逆に、この部分が全部キャッシュに変わったということで、現預金は530億400万円から560億2,500万円で30億円ほど増加いたしました。
ゲームソフト仕掛品は、私どものコンテンツの制作勘定です。第1四半期については新作の発売はございませんでしたので、制作の分だけ、34億円ほど増えております。
また、負債は受取手形・売掛金の減少と同じように、支払手形・買掛金も24億円ほど減少しております。そして、賞与の支払いにより賞与引当金が減ったことが、減少要因として上がっております。
さらに、未払法人税等につきましても、第1四半期で支払いましたので減少です。
一方で純資産は、3月末で887億4,900万円だったものが914億3,200万円ということで、26億8,300万円ほど増加いたしました。これが、冒頭に申し上げました自己資本比率の上昇につながりました。決算の概要は以上でございます。
当期につきましては、最大の当社の目玉になりますタイトル「モンスターハンターワールド:アイスボーン」という大型拡張パックの発売を9月6日に予定しておりますので、全力投入している状況でございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。