東京23区の中古マンション価格は2026年7月、24カ月連続で最高額を更新し、「8884万円」を記録しました。一方、前月比の上昇率は0.2%まで縮小し、価格上昇のペースは鈍化しています。
価格の先行きが見えない不動産市場では、買い手と売り手のスタンスも変化してきています。現在の中古マンション市場はどのような局面にあるのでしょうか。
今回は、アットホームラボ株式会社 執行役員 磐前淳子氏に、最新データの分析と合わせて、買い手と売り手から挙がっている現場の声を聞きました。
- 東京23区は最高額を更新する一方、前月比の上昇率は0.2%まで鈍化
- 都心6区では3カ月連続で下落。周辺エリアでは上昇が続く
- 実需層は都心にこだわらず、エリアや探し方の選択肢を広げている
1. 東京23区の中古マンション価格、上昇率は0.2%まで鈍化
アットホーム株式会社が2026年8月31日に公表した「2026年7月 首都圏における『中古マンション』の価格動向」によると、首都圏の中古マンション1戸あたり平均価格は「5928万円」となりました。
前月比、前年同月比ともに24カ月連続で上昇しており、東京都(23区・都下)など7エリアでは2017年1月以降の最高額を更新しています。東京23区も「8884万円」と高値圏にありますが、前月比上昇率は0.2%と、3カ月連続で縮小しました。
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出所:アットホーム株式会社
では、価格上昇は頭打ちになったのでしょうか。
磐前氏は、現時点で「9000万円が明確な天井になった」とはみていません。「価格が下落局面に入ったというよりは、これまで急激だった上昇が一服し、上昇ペースが鈍る調整局面に入りつつある段階」と説明します。
2. 「23区全体の下落」ではない。都心6区で先に調整
今回の価格動向を見るうえで重要なのが、東京23区を一括りにしないことです。
取材では東京23区を「都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)」「城南・城西6区」「城北・城東11区」の3エリアに分けたデータが示されました。
2026年7月の前月比を見ると、都心6区はマイナス1.8%。5月から3カ月連続で下落しています。一方で、城南・城西6区はプラス1.2%、城北・城東11区はプラス1.8%と、上昇が続いています。
つまり、現在の東京23区は「全域が弱くなっている」という状況ではありません。
これまで23区全体の価格上昇を強く牽引してきた都心6区で調整が始まり、その影響によって23区全体の上昇率が鈍化している、と見るほうが実態に近いといえます。
背景には、都心部の価格が上がりすぎたことがあります。
都心6区の平均価格は1億4000万円前後まで上昇。一般的な実需層だけでなく、世帯年収の高い共働き世帯、いわゆる「パワーカップル」でも希望するマンションを購入しにくい水準になっています。
さらに、これまで都心部の価格上昇を支えてきた国内外の投資家についても、価格水準が高くなったことで慎重な姿勢がみられるといいます。