2026年(令和8年)4月に国税庁から「令和8年分 源泉所得税の改正のあらまし」が公表され、今後の所得税の計算方法が大きく変わることが決定しました。そして、今年も9月に入り、年末調整の準備が少しずつ視野に入ってくる時期ですね。
今回は、令和8年の年末調整に関わる主な変更点を整理したうえで、家計に役立つ税金と控除(金額を差し引くこと)の基本的な仕組みをわかりやすく解説します。
- 令和8年の年末調整で手取りに影響する3つの重要ポイント
- 所得控除と税額控除の違いと節税の仕組み
- ライフイベントにあわせて活用できる主な控除
1. 令和8年度税制改正、「手取り」はどう変わる?3つの改正ポイント
今回の改正は、物価上昇への対応や、働く意欲を削がないための仕組みづくりを中心に行われました。令和8年11月までの毎月の給与天引き額に変更はなく、同年12月の年末調整でまとめて精算されるのが特徴です。
1.1 基礎控除の引き上げ
所得税を計算する際、原則として多くの方が無条件で差し引ける基礎控除が、これまでの58万円から62万円に引き上げられます。
さらに物価上昇に配慮した時限的な上乗せ措置により、給与収入が665万5556円以下(合計所得金額489万円以下)の方は、令和8年と令和9年分に限り基礎控除額が104万円まで手厚くなります。
手元に残るお金が増えることが期待できる、うれしい変更点といえるでしょう。なお、合計所得金額が2350万円を超える高所得者は対象外です。
1.2 給与所得控除と年収の壁の拡大
会社員やパートの方が差し引ける給与所得控除(給与をもらう人のための経費のようなもの)の最低保障額も、従来の65万円から74万円に引き上げられます。基礎控除の引き上げとあわせると、所得税がかかり始めるボーダーライン(いわゆる年収の壁)が、136万円へと拡大することになります。働き控えをせずに収入を増やしやすくなるのは、家計にとって大きなメリットです。
1.3 学生を支える特定親族特別控除
19歳から22歳の大学生年代のお子さまがいる家庭にとって、子どもがアルバイトで一定額以上稼ぐと親の税負担が増えるという問題がありました。税負担が増加することを懸念して、働き方をセーブせざるを得ないケースも多く見られました。今回、子どもの収入が給与のみで136万円を超えても、197万円以下であれば段階的に控除を受けられる仕組みに変わります。
令和8年の年末調整でこの控除を受ける場合は、勤務先への申告が必要になるため、案内をしっかり確認しておきましょう。
そのほかにも、住宅ローン控除の適用期限が令和12年12月31日まで5年延長されたり、使用者から支給される食事の非課税限度額が月額3500円から7500円に引き上げられたりと、私たちの生活に直結する変更が多数盛り込まれています。
