年金の平均額は、年齢によってはっきりとした差があります。とくに65歳の前後では、金額が大きく変わります。

本記事では、厚生年金と国民年金の平均月額を60歳から89歳まで1歳刻みの一覧で確認します。あわせて、働きながら年金を受け取る場合の在職老齢年金についても見ていきます。

宗形 佑香里
一覧を見ていただくと、64歳以下の金額が低いことに気づかれると思います。これは年金が少ないのではなく、繰上げ受給を選んだ方などが含まれているためです。公的年金は繰上げると受給月額が減り、繰下げると受給月額が増えます。数字の背景まで分かると、一覧の読み方が変わります。順に見ていきましょう。

1. 公的年金は「国民年金+厚生年金」の2階建て

日本の公的年金は、1階部分の「国民年金(老齢基礎年金)」と、2階部分の「厚生年金」で構成されています。まずはそれぞれの基本を押さえておきましょう。

厚生年金と国民年金の仕組み1/9

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分にあたる国民年金

国民年金は、原則として日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。

  • 加入対象者:日本に住む20歳以上60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)
  • 年金保険料:全員一律、年度ごとに改定あり(2026年度は月額1万7920円)
  • 受給額:保険料を40年間(480カ月)納付すると、満額の老齢基礎年金を受給できる(2026年度の満額は月額7万608円)

納付済期間が480カ月に満たない場合は、その不足に応じて受給額が減額されます。

1.2 2階部分にあたる厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員、また特定適用事業所で一定の要件を満たして働くパートタイマーなどが、国民年金に上乗せして加入する制度です。

  • 加入対象者:会社員や公務員、特定適用事業所で一定の要件を満たして働くパートタイマーなど
  • 年金保険料:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される(上限あり)
  • 受給額:加入期間や納めた保険料の額によって個人差が大きく出る

厚生年金は現役時代の収入と加入期間に応じて増減するため、同じ会社員でも老後に受け取る金額に差が出ます。

2. 【2026年度の年金額】4年度連続「プラス改定」なるも物価上昇率が上回っている?

2026年1月23日、厚生労働省は2026年度(令和8年度)の年金額を公表しました。前年度と比べて国民年金は1.9%、厚生年金の報酬比例部分は2.0%の引き上げです。

2026年度(令和8年度)の年金額の例2/9

2026年度(令和8年度)の年金額の例

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

2.1 2026年度の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額):月額7万608円(前年度比+1300円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):月額23万7279円(前年度比+4495円)

※昭和31年4月1日以前生まれの人の老齢基礎年金の満額は、月額7万408円(前年度比+1300円)です。

※厚生年金は、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

金額が増えること自体は家計にとってプラスに見えます。ただし、この間の物価上昇率は年金額の伸びを上回っており、実際に買えるものが増えるとは限りません。額面の増減だけで判断せず、家計全体の収支で見ることが大切です。

3. 【60歳から69歳まで】厚生年金と国民年金「みんなのもらえる年金はいくら?」

ここからは、厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均月額を確認していきます。なお、以下で紹介する厚生年金の平均月額には国民年金部分も含まれています。

3.1 60歳代の厚生年金の平均月額

60歳代の厚生年金の平均月額3/9

60歳代の厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:9万9664円
  • 61歳:10万4455円
  • 62歳:10万9323円
  • 63歳:6万8758円
  • 64歳:8万3901円
  • 65歳:14万9862円
  • 66歳:15万2378円
  • 67歳:15万2356円
  • 68歳:15万2709円
  • 69歳:15万1284円

老齢年金の受給開始年齢は原則65歳です。65歳を境に、平均月額は14万円台後半から15万円台へと大きく上がっています。

64歳以下の金額が低めなのは、繰上げ受給を選択した人や、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分のみを受給している人が含まれるためです。

3.2 60歳代の国民年金の平均月額

60歳代の国民年金の平均月額4/9

60歳代の国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:4万5186円
  • 61歳:4万6371円
  • 62歳:4万7784円
  • 63歳:4万7258円
  • 64歳:4万7896円
  • 65歳:6万1240円
  • 66歳:6万1369円
  • 67歳:6万1345円
  • 68歳:6万1293円
  • 69歳:6万978円

65歳未満の受給者は、繰上げ受給を選んで早めに受け取り始めた人です。そのため、65歳以降と比べて月額が低くなっています。

4. 【70歳から79歳まで】厚生年金と国民年金「みんなのもらえる年金はいくら?」

4.1 70歳代の厚生年金の平均月額

70歳代の厚生年金の平均月額5/9

70歳代の厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:15万455円
  • 71歳:14万8371円
  • 72歳:14万6858円
  • 73歳:14万5583円
  • 74歳:14万7774円
  • 75歳:15万1410円
  • 76歳:15万1241円
  • 77歳:15万962円
  • 78歳:15万862円
  • 79歳:15万3115円

70歳代の厚生年金は、いずれの年齢でも月額14万円台から15万円台に収まっています。

4.2 70歳代の国民年金の平均月額

70歳代の国民年金の平均月額6/9

70歳代の国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:6万1011円
  • 71歳:6万770円
  • 72歳:6万234円
  • 73歳:6万32円
  • 74歳:5万9813円
  • 75歳:5万9659円
  • 76歳:5万9555円
  • 77歳:5万9349円
  • 78歳:5万9124円
  • 79歳:5万8676円

国民年金は、年齢が上がるにつれてわずかに下がる傾向が見られます。とはいえ、いずれも5万〜6万円台の範囲です。