3. 国家公務員の学歴差は35年以上で1万4359円まで縮む

後半になると、差の動きが変わります。

3.1 25年を過ぎると縮みはじめる

25年以上30年未満は大学卒41万2768円、高校卒37万1601円で4万1167円です。30年以上35年未満では2万6855円まで縮みます。

35年以上は大学卒42万4784円、高校卒41万425円で、差は1万4359円です。最大だった15年以上20年未満の5万3649円と比べると、4分の1近くまで小さくなります。

3.2 伸び幅は高校卒のほうが大きい

1年未満から35年以上までの伸びを見ると、大学卒は23万7460円から42万4784円で18万7324円、高校卒は20万5675円から41万425円で20万4750円です。

高校卒のほうが1万7426円だけ大きく伸びています。出発点が低いぶん、伸びしろが残っている形です。

4. 国家公務員の俸給は計で見ると高校卒のほうが高い

ここで、合計欄を見ると別の数字が出てきます。

4.1 大学卒34万276円、高校卒35万90円

経験年数を分けずに計で見ると、大学卒が34万276円、高校卒が35万90円です。高校卒のほうが9814円高くなっています。

各階層ではすべて大学卒が上回っていたのに、合計では逆転します。

4.2 人員の構成が違うため

人員を見ると、大学卒は9万70人、高校卒は3万9481人です。

高校卒は30年以上35年未満が9572人、35年以上が1万1248人と、経験年数の長い層に人数が集まっています。俸給の高い階層の比重が大きいため、計では高くなります。

階層ごとと計とで、結果が逆になります2/2

経験年数の階層ごとの平均俸給額と、経験年数を分けない計の平均俸給額・人員を大学卒と高校卒で比べた表

出所:人事院「令和8年 各種調査等の結果詳細」をもとにLIMO編集部作成

5. 国家公務員の俸給額を見るときに気をつけたいこと

元銀行員の視点から、数字の読み方を挙げておきます。

5.1 俸給額であって給与月額ではない

ここで見ているのは俸給額です。地域手当や扶養手当などは含まれていません。

手当を含めた平均給与月額は別に集計されており、そちらのほうが金額は大きくなります。

5.2 平均どうしの比較である

各階層の数字は、その階層に属する人の平均です。同じ経験年数でも級や号俸によって個人差があります。

長く勤めた場合に退職金がどのくらいになるのかはこちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
公務員で退職金「2000万円以上」もらう人、日本での割合は?

中本 智恵

階層ごとに見れば大学卒が上回り、計で見れば高校卒が上回る。同じ表から逆の結論が出てくるのは、人数の入り方が違うためです。

窓口で家計のご相談をお受けしていた頃も、平均という言葉が一人歩きして、ご自身の状況と合わない数字で不安になってしまう方がいらっしゃいました。平均を見るときは、その平均が誰の集まりの平均なのかまで確かめておくと、読み違えが減ります。

この表は俸給額だけを取り出したもので、手当や賞与は入っていません。ご自身の家計に当てはめるときは、実際に振り込まれている額を手元に置いて比べてみてください。

6. 国家公務員の学歴差は15年から20年が山で、その後は縮む

行政職俸給表(一)の平均俸給額は、経験1年未満で大学卒23万7460円・高校卒20万5675円の3万1785円差から始まります。

差は10年を過ぎて広がり、15年以上20年未満の5万3649円が最大です。そこから縮みはじめ、35年以上では1万4359円になります。

計では高校卒35万90円が大学卒34万276円を9814円上回ります。経験年数の長い層に高校卒の人数が多いためで、階層ごとの比較とは逆の結果になります。

参考資料

中本 智恵