公務員の退職金は多いと言われますが、実際はどれくらいなのでしょうか。

総務省の令和7年地方公務員給与実態調査が2026年8月27日に公表されました。全地方公共団体の一般行政職員で、25年以上勤続後に定年退職した方の1人当たり平均手当額は2226万5000円です。一方、自己都合による退職では380万3000円でした。

この記事では、退職事由でどれだけ退職金に差がつくのかを見ていきます。

ココがポイント
  • 25年以上勤続後の定年退職は1人当たり2226万5000円
  • 自己都合による退職は380万3000円。定年退職の6分の1程度
  • 退職手当を支給された職員全体の平均は1386万円

1. 同じ退職でも、勤続年数と辞め方によって適用される条文が変わる

まず、この調査の区分を確認します。

1.1 3つの区分に分かれている

調査表は退職手当を、自己都合の退職等、11年以上25年未満勤続後の定年退職等、25年以上勤続後の定年退職等の3つに分けています。それぞれ条例の第3条、第4条、第5条に対応する区分です。

同じ退職でも、勤続年数と辞め方によって適用される条文が変わります。退職金の金額差は、この区分の違いから生まれるのです。

1.2 1人当たり平均手当額は1386万円

本調査で集計されているのは、令和6年4月1日から令和7年3月31日までに退職した職員です。全地方公共団体の一般行政職員では、退職手当を支給された職員が4万1719人でした。

この4万1719人に支給された手当の総額を割った1人当たり平均手当額は1386万円です。退職者数合計で割ると1167万5000円になりました。

同じ退職でも、辞め方で6倍近い差がつきます1/2

同じ退職でも、辞め方で6倍近い差がつきます

出所:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査 第9表」をもとにLIMO編集部作成

2. 定年退職と自己都合の差

次に、区分ごとの金額を見ていきます。

2.1 25年以上勤続後の定年退職は2226万5000円

全地方公共団体の一般行政職員で、25年以上勤続後の定年退職にあたる方の1人当たり平均手当額は2226万5000円です。この区分全体、つまり応募認定退職なども含めた平均では2211万円でした。

勤続25年以上の応募認定退職は2174万6000円です。定年まで勤めた場合と、募集に応じて早めに退職した場合とで、大きくは変わっていません。

2.2 自己都合は380万3000円

一方、自己都合による退職の1人当たり平均手当額は380万3000円です。自己都合の退職等という区分全体では326万8000円でした。

定年退職の2226万5000円と比べると、6分の1程度の水準になります。勤続年数が短い方が多く含まれるためですが、同じ制度のなかでここまで差がつく点は押さえておきたいところです。

定年退職の平均額は団体区分でも差があります2/2

定年退職の平均額は団体区分でも差があります

出所:総務省「令和7年地方公務員給与実態調査 第9表」をもとにLIMO編集部作成

3. 退職金は市と町村でも差がある

同じ地方公務員でも、団体の区分で開きがあります。

3.1 町村は市より125万円低い

25年以上勤続後の定年退職の1人当たり平均手当額は、市が2248万1000円、町村が2123万1000円です。差は125万円になります。

退職手当を支給された職員全体の平均で見ると、市が1440万4000円、町村が1173万7000円で、こちらは266万7000円の差です。定年退職に限った場合より、全体で見たほうが差が大きくなっています。

太田 彩子

役場にいたころ、退職手当は勤続年数で決まるものという受け止め方が一般的でした。実際は辞め方でも変わるので、途中で辞めるかどうかを考える場面では確かめておきたい部分です。