厚生年金は男性のほうが金額が大きいと言われます。ところが受給権者の人数で見ると、様子が違います。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、厚生年金保険(第1号)の老齢給付の受給権者は3060万194人で、うち女子が1653万5454人と男子を247万714人上回っています。

筆者は銀行と信託銀行で15年以上、個人のお客さまの資産運用に携わってきました。この記事では、受給権者の内訳から働き方の姿を見ていきましょう。

ココがポイント
  • 老齢給付の受給権者は3060万194人。女子が男子より247万714人多い
  • うち424万3152人が「在職」。13.9%で、およそ7人に1人にあたる
  • 在職は男子が多く、退職は女子が多いという逆の形になっている

1. 人数では女子が上回っている

まず、全体の内訳から見ていきます。

1.1 3060万194人のうち女子が1653万人

厚生労働省の年報によると、厚生年金保険(第1号)の老齢給付の受給権者は3060万194人でした。男子が1406万4740人、女子が1653万5454人です。

その差は247万714人で、女子のほうが多くなっています。平均年金月額では男子16万9967円に対し女子11万1413円と男子が上回りますが、人数では逆の関係になります。

1.2 金額の大小と人数は別の話

この2つが両立するのは、受給権の有無と金額の大小が別の軸だからです。厚生年金に加入した期間が短くても、要件を満たせば受給権は生じます。

短時間勤務や勤務期間が限られていた場合でも、その分の記録は残ります。金額は小さくても人数には数えられる、という構造です。

人数では女子が247万714人多くなっています1/2

人数では女子が247万714人多くなっています

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」をもとにLIMO編集部作成

2. 7人に1人が在職中

次に、退職と在職の区分を見ていきます。

2.1 在職は424万3152人

老齢給付の受給権者3060万194人の内訳は、退職が2635万7042人、在職が424万3152人です。在職とは、厚生年金に加入しながら老齢給付の受給権を持っている状態を指します。

割合にすると13.9%で、およそ7人に1人にあたります。年金を受け取る権利を持ちながら、なお厚生年金の被保険者として働いている方がこれだけいるということです。

2.2 在職と退職で男女が逆になる

在職の内訳は男子264万9941人、女子159万3211人で、男子のほうが多くなっています。一方で退職は男子1141万4799人、女子1494万2243人と、女子が352万7444人多い形です。

働きながら受給権を持つ層では男子が多く、退職して受け取る層では女子が多いという、逆の関係になります。

在職と退職で男女の多い少ないが入れ替わります2/2

在職と退職で男女の多い少ないが入れ替わります

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」をもとにLIMO編集部作成

和田 直子

相談では、平均額の話ばかりが先に立ちます。ただ人数の内訳を見ると、受け取り方の選択肢が世帯によって違うことが見えてきます。