2026年8月末に厚生労働省から最新の年金に関するデータが公表され、国民年金の納付率がニュースなどで話題になっています。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、国民年金保険料の納付率は78.56%でした。納付対象月数(保険料を納めるべき全体の月数)9127万360月に対し、実際に納付された月数は7170万4555月となっています。
筆者はファイナンシャルプランナーとして日々多くの家計相談をお受けしていますが、年金制度に漠然とした不安を抱える方は決して少なくありません。相談の現場でも「みんな払っていないなら自分も損をするのでは」と心配される声をお聞きします。
この記事では、この納付率の数字が一体何を数えているのか、そして私たちの老後資金にどう影響するのかを分かりやすく紐解いていきます。
- 令和6年度の納付率は78.56%。納付対象月数9127万360月に対し7170万4555月
- 免除・猶予を受けている月は、そもそも分母に入っていない
- 追納した月数も、この分母と分子には含まれていない
1. 納付率78.56%は「人数」ではなく「月数」の割合
まず、計算のしかたを確認します。
1.1 分母は9127万360月
厚生労働省の年報によると、令和6年度の納付対象月数は9127万360月でした。これに対して納付月数は7170万4555月です。
年報の注記では、納付率は納付月数を納付対象月数で割って100を掛けたものと定義されています。この式に当てはめると78.56%になります。
1.2 人数ではなく月数で数えている
ここで押さえておきたいのは、納付率が人数の割合ではないという点です。1人が12月のうち何月納めたか、それを全体で積み上げた比率になります。
ですので、8割の人が納めているという読み方は正確ではありません。納めるべき月のうち約8割が納められている、という意味になります。
2. 免除や猶予の月は計算の分母に「含まれない」
次に、分母の中身を見ていきます。
2.1 5つの月数が除かれている
年報の注記によると、納付対象月数とは当該年度分の保険料として納付すべき月数であり、法定免除月数、申請全額免除月数、学生納付特例月数、納付猶予月数及び産前産後免除月数を含まないとされています。
つまり免除や猶予の承認を受けている月は、そもそも分母から外れています。免除を受けている人が納付率を押し下げているわけではないということです。
2.2 未納として残るのは手続きをしなかった月
納付月数は、納付対象月数のうち当該年度中、翌年度4月末までに実際に納付された月数です。差の分は、納付すべきなのに納められていない月ということになります。
保険料を納めるのが難しいときに免除の申請をしていれば、その月は分母から外れます。手続きをせずに放置した場合だけが、この差として残ります。
家計相談でお聞きするのは、全国の納付率ではなくご自身の記録のことです。免除の手続きをしていたかどうかで、受け取れる年金は変わります。
