今、少子高齢化などを背景に人手不足となっており、就職・転職においては「売り手市場」といわれています。しかし一方で、売り手市場にもかかわらず、高学歴者のフリーター化が進んでいるといいます。
なぜ、売り手市場で高学歴の人がフリーターになってしまうのか、その背景には何があるのでしょうか。
近年、高学歴フリーターが急増
フリーターというと、定職についていない人や非正規雇用に甘んじている人というマイナスのイメージが付きまといます。しかし大学卒や大学院卒であるにもかかわらず、フリーターを選択する人も多いという現実があるのです。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(以下、労働政研)から「フリーター経験者(※1)の高学歴化と正社員化減少―「第4回 若者のワークスタイル調査」―」(調査は2001年、2006年、2011年、2016年の計4回。都内の25~34歳の男女を対象)が2017年10月に公開されました。
その中で目を引くのが、大学・大学院卒者のフリーター割合の急増にあります。
2001年にはフリーター経験者中の高卒者の割合が最多で43%、大学・大学院卒は11%でした。その後、高卒者の割合は低下し、大学・大学院卒者は増加の一途をたどっています。両者の比率が逆転し、2016年には高卒者が19%に対して、大卒・大学院卒者が41%を占めるように変化しています。
※1本調査での「フリーター経験者」は、パート・アルバイト経験者(学生時代のアルバイトを除く)と定義されています。