「共依存」という言葉をご存じですか?いろいろな共依存がありますが、親子関係の場合「自分は自分、子どもは子供」という境界線が引けない状態のことを指します。親は「あの子はあたし(俺)がいないと生きていけない」と子供に尽くし、それが支配に代わる、子供は「ママ(パパ)の言うことを聞かないと、また怒られる」と親の顔色を窺っていてる=結局親のいうことをキチンと聞いている状態です。

子供はいつまでも、親に頼るわけにはいきません。子供を自立させる、つまり親がいなくても自立して自分の生活を営むようにしてあげることが子育てのゴールです。親は先に死にます。こんな状態では親は先に死ねません。

実は、そこまで子供にのめりこむ親には、特徴があります。自分の人生を生きていない、つまり子供に自分の人生の代理をさせているのです。自分の子供を「世間からみて恥ずかしくない立派な子供に育て上げること」が親としての成績表だと思っています。

子供に「1番になれ!」といっている親が、果たして1番になれているでしょうか?子供に厳しい課題を課す親は、自分ができないことを子供に押し付けているのです。結局、親が自己肯定できていれば、子供がとばっちりを受けなくて済むのです。

自己肯定感の低い親ですから、間違えに気付いても「ゴメンナサイ」がいえない人が多いのです。誰を守るためのプライドなのでしょうか?大人だっていっぱい間違えるし、間違えたらその時にそれを認めて謝ればいいのです。親が謝る姿を見て、子供も謝ることを学びます。子供は親の鏡なのです。

反抗期は共依存のまま大人にならないためのチャンス

子供のことを思うがあまり「こどものため」という名目を盾にして、子供を支配してしまう親もいます。親がそんなでも、子供は自分の身を守る術があるのです。「反抗期」です。でも、共依存が深い子供には、反抗が死ぬほど高いハードルなのです。男の子の方が問題行動を起こして周りにSOSを出すことが比較的多いのですが、女の子の場合、親に逆らえずにいると拒食症や過食症などの摂食障害になってしまう子もいます。

反抗期は共依存を見直すチャンスと捉えられます。親離れ子離れするための大切な「儀式」が反抗期です。

大人が不自由な時代であることは間違いありません。でももっと自由になっていいのではないのでしょうか?2020年の大学入試会改革は、今までの詰込み型の反省から「思考力・判断力・表現力」を重視する方向へ舵を取ります。「自分で考えて、決めて、行動・発言する」ということが重宝され、世の中もその方向へ動き始めています。世間や人のせいにしないで、大人である「親」も「子供」も一個人として尊重できれば、お互いにラクになれるでしょうし、自由になれます。

「毒親」にならないためには、実は親自身が自己肯定感を持つ、自分を好きになることが大事なのです。

堀田 馨