2026年度の年金額は、前年度から国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられました。4年度連続のプラス改定です。
一方で、厚生労働省が2026年8月24日に公表した毎月勤労統計調査によると、同年6月の名目賃金は前年同月比で3.4%伸びています。
この記事では、公的年金の2階建てのしくみを確認したうえで、現役世代の賃金の伸びと年金の改定率を並べて見ていきます。
- 1階の国民年金は全員一律の保険料、2階の厚生年金は収入に応じた報酬比例制
- 2026年度は基礎年金1.9%・報酬比例部分2.0%の引き上げ。国民年金の満額は月7万608円
- 2026年6月の名目賃金は前年同月比3.4%増、実質賃金も1.5%増で、年金の改定率を上回る
なお、厚生年金の受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 公的年金は2階建てになっている
日本の公的年金は、ベースとなる国民年金(基礎年金)と、上乗せ部分の厚生年金から成り立つため、2階建て構造と呼ばれます。
1.1 1階の国民年金は全員一律
国民年金に加入するのは、原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人です。保険料は全員定額で、2026年度は月1万7920円になっています。
保険料を全期間の480カ月納付した場合、65歳以降に満額の老齢基礎年金を受け取れます。2026年度の満額は月7万608円で、未納期間があればその分に応じて差し引かれます。
1.2 2階の厚生年金は収入に応じて決まる
厚生年金に加入するのは会社員や公務員で、国民年金に上乗せする形になります。パートで働く方も、特定適用事業所に勤めて一定の要件を満たせば加入します。
保険料は収入に応じて決まる報酬比例制です。標準報酬月額は上限65万円、標準賞与額は1回150万円が上限で、それを超える収入があっても保険料は増えません。
受給額は加入期間や納めた保険料によって決まるため、個人差が出ます。同じ年に65歳を迎えても、現役時代の働き方によって受け取る額は変わります。
この点について、LIMOの記事「【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント」から要点を引用しておきます。
厚生年金は、現役時代の「給与の高さ」と「加入期間の長さ」に比例して金額が増える仕組み(報酬比例部分)です。
出所:【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
2. 2026年度は基礎年金1.9%、報酬比例部分2.0%の引き上げ
公的年金の金額は、賃金や物価の動向を踏まえて年度ごとに改定されます。
2.1 4年度連続のプラス改定
2026年度分は、前年度より国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引き上げとなりました。プラス改定は4年度連続です。
金額では、国民年金の老齢基礎年金が満額1人分で月7万608円、厚生年金が夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額で月23万7279円になりました。
なお昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月7万408円です。厚生年金の標準的な年金額は、男性の平均的な収入(平均標準報酬45万5000円、賞与含む月額換算)で40年間就業した場合の給付水準を指します。
2.2 国民年金だけでは月7万円台にとどまる
国民年金のみの場合、満額でも月額で約7万円です。繰下げ受給の上限である75歳まで受給を待機しても、月額13万円には届きません。
繰下げ受給は66歳から75歳までの間に受給開始を後ろ倒しする制度で、繰下げた月数に0.7%を掛けた増額率が適用されます。75歳で受給開始した場合の増額率は84%です。
改定率が何%かより、何と比べて何%なのかを見ておきたいところです。次のページで、いま働いている人の賃金と並べてみます。

