おひとりさまにとって、老後の暮らしを支えるのは自分の収入と年金です。「パートや短時間の働き方だと、社会保険には入らないもの」—そう思って働き方を決めている方もいるのではないでしょうか。実は、入る基準は一つではありません。

社会保険に入るかどうかは、手取りだけでなく将来の年金にも関わります。まずは同世代のおひとりさまの貯蓄の現在地を平均と中央値で確かめ、そのうえで、社会保険に入る基準をみていきましょう。

今回は、40歳代の単身世帯の平均貯蓄額と中央値を確認し、パートでも社会保険に入る2つの入口をみていきます。

村岸 理美

FP(ファイナンシャルプランナー)として日々ご相談を受けるなかでも、働き方の選択が将来の安心に直結すると実感しています。目先の手取り額だけでなく、少し先の未来を見据えた選択をすることが、豊かな老後への第一歩になります。

ココがポイント
  • 40歳代おひとりさまの平均貯蓄額と中央値
  • 社会保険に入る基準は2つ—4分の3基準と、週20時間・月8.8万円の適用拡大(日本年金機構)
  • 加入は手取りが減る一方、将来の厚生年金は増える

1. 【40歳代おひとりさまの貯蓄額】平均と中央値の現在地

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、40歳代・単身世帯の金融資産保有額(平均・中央値)は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 40歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)

  • 40歳代単身世帯:平均859万円/中央値100万円

40歳代のおひとりさまは平均859万円・中央値100万円。貯蓄のない人が32.1%とおよそ3人に1人、2000万円以上は12.7%です。平均が中央値を大きく上回り、実感に近いのは中央値100万円のほうです。

だからこそ、働き方を通じて将来の年金を厚くする視点も大切になります。

村岸 理美

40歳代のおひとりさまは、働き方が将来の年金に直結する年代です。平均に一喜一憂せず、中央値を目安にわが家の位置を確かめておきましょう。次のページでは、パートでも社会保険に入る基準と、将来の厚生年金への効き方をみていきます。