塾講師をしているとよく思うことがあります。それは、いい意味でも悪い意味でも子供は親に似るということです。そして、親の態度が子供の成績や勉強への態度に大きく影響しているということです。

子供は親の姿を見て育っていきます。思うとおりにならないかもしれませんが、子供はまちがいなく親の姿を見ているし、結局は親と同じような言葉づかいや行動をとるような気がします。

そこで今回は、親が変われるちょっとしたコツについて考えてみます。親も子も人生まだまだこれから。子供が成長するのを待つだけではなく、家族みんなで楽しみながら成長するストーリーを描けたらと思っています。

自分の言動をもう一度見つめ直す

冒頭でも申し上げましたが、子供は親に似ます。子供は親と同じ行動をとります。子供のよくある言い訳に「時間がない」「疲れた」というのがあります。親としては聞きたくない言葉ですが、よくよく考えてみると親が言っているから子供も言うようになったと思われます。子供のセリフに心当たりがあれば、振り返ってみてもいいのではないでしょうか。

昔、このような子がいました。宿題はしない、教室内でもなかなかはかどらない、学校の提出物も出さない、家でもいうことを聞かないなど、だらしない生活態度が目立ちました。親子関係がうまくいっていない、ストレスをかかえた子供だったように思います。

その子の言葉で印象に残っているのが「お母さん、仕事きらいと言っていた」という一言みんながみんな、楽しく仕事をしているわけではありません。ただ、仕事は楽しくない、仕事きらいという態度を見せていると、子供は仕事に対してマイナスなイメージしか持たなくなります。

仕事に対して後ろ向きな態度を見せる親に「将来のためだから勉強しなさい」と言われても説得力はなくなります。仕事は楽しくないものと思うと、今取り組んでいる勉強へのモチベーションは上がらないし、将来への希望も薄れてしまいます。

プラスな言葉でしめくくる

とはいっても、楽しくない仕事を「楽しい」とは言えません。我慢をして終えた仕事ですから、ストレスもたまるしグチも言いたくなります。子供の前でグチを言いたくない、言わないほうがいいのは正直なところですが、我慢をしすぎるのもよくないですね。ストレスをためて子供に八つ当たりしてしまったなんてことは避けたいものです。

多少のグチは仕方ありませんが、グチグチとならず短めにして最後にプラスな言葉で終わらせてみてはどうでしょう。先ほど述べた「仕事きらい」と言っていたお母さんの場合、きらいと言ったあとに「また明日がんばろう」「だけど仕事は大切」など前向きな言葉でしめくくったら、聞いている子供にとっては「仕事=いやなもの」よりも「仕事=しなければならないもの・大切なもの」というイメージを持つ可能性は高くなります。

学校の先生や医師などとお話をするときにも似たような経験があるのではないかと思います。成績や症状など現状ばかりを強調されると不安になるもの。だけど「こうすればよくなる」「きっとだいじょうぶ」という言葉を聞くと安心できたり前向きになれたりするのではないでしょうか。プラスな言葉は発し続けたいものです。

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