年末に向けて家計や資産を見直す方も多い時期です。年金暮らしのシニア世帯は、実際にどれくらいの貯蓄を持ち、毎月どのような収支で暮らしているのでしょうか。
この記事では、65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額と家計収支のデータを確認したうえで、2026年度の年金額や、実際の受給額の男女差まで整理していきます。
なお、65歳以上無職夫婦世帯の貯蓄額・家計収支のデータについては、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 65歳以上無職夫婦世帯の平均貯蓄額は2494万円。前年比66万円減と6年ぶりの減少に転じた
- 平均値2564万円に対し中央値は1777万円。300万円未満の世帯も14.9%存在する
- 夫婦のみ無職世帯は毎月約4万2000円の赤字。貯蓄額によって資産寿命は6年〜49年と大きく開く
1. 65歳以上の無職夫婦世帯、平均貯蓄額は2494万円
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額は2494万円でした。
1.1 世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別現在高の推移(二人以上の世帯)
この貯蓄額は近年増加傾向にあり、2024年には2560万円まで右肩上がりの状態が続いていましたが、2025年は2494万円となり、前年比で66万円(2.6%)減と6年ぶりの減少に転じました。
貯蓄の種類別に見ると、最も多いのは定期性預貯金で778万円です。次いで通貨性預貯金が766万円、有価証券※1が510万円、生命保険などが426万円、金融機関外※2の貯蓄が13万円となっています。
前年からの増減では、定期性預貯金が-81万円(-9.4%)、通貨性預貯金が-35万円(-4.4%)とそれぞれ減少した一方で、有価証券は+9万円(+1.8%)と伸びを見せています。預貯金が減り有価証券が増えているという動きからは、インフレを意識して資産の置き場所を見直す世帯が出てきていることがうかがえます。
※1 有価証券:株式、債券、株式投資信託、公社債投資信託、貸付信託、金銭信託など(いずれも時価)
※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など
2. 有職世帯を含めると?平均値と中央値のギャップ
同じく「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」から、有職世帯も含めた世帯主が65歳以上世帯全体の貯蓄額を見てみましょう。
2.1 世帯主が65歳以上の世帯の現在貯蓄高階級別世帯分布(二人以上の世帯)ー2025年ー
65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 平均値:2564万円
- 貯蓄保有世帯の中央値(※):1777万円
有職世帯を含めた65歳以上の二人以上世帯における平均貯蓄額は2564万円ですが、貯蓄が0円の世帯を除いた中央値を見ると1777万円にとどまり、平均値よりも約790万円低い結果となっています。
貯蓄現在高の分布を見ると、2500万円以上の世帯が全体の36.3%(約3分の1)と高い階級に広がっている一方で、300万円未満の世帯も14.9%存在しています。このように一部の貯蓄が多い世帯によって、全体の平均値が大きく引き上げられている実態がうかがえます。
※貯蓄保有世帯の中央値とは、貯蓄現在高が「0」の世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の少ない方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高をいいます。

