人それぞれに削りたくないと思う出費は異なりますが、「親」という立場で考えたときに、真っ先に思い浮かぶのは、育児に関する費用ではないでしょうか?

親としては、子どもにいろんな体験をさせ、希望通りの進路を進ませてあげたいと思うもの。しかし、その一方で気になるのが「お金」の問題。「ここは削るべきだ」と感じる項目もあれば、削りたくないお金もあるでしょう。そこで今回は、子どものためのお金について考えてみましょう。

母親に聞いた「削れない費用」の1位は?

出産して育児が始まると、さまざまな出費に対応することになります。そんななか、ママたちが「このお金だけは削りたくない」と感じるのはどの項目なのでしょうか。

人気育児アプリを手掛けている『ママリ』は、2018年の5~6月に3歳未満の子どもがいる女性2,982人を対象に調査を実施しました。その結果、「なるべく削りたくない支出」は以下通りとなっています。

1位…ベビー・子ども用品代(70.8%)
2位…教育費(28.5%)
3位…医療費(27.6%)
4位…食費(25.1%)
5位…外食・レジャー費(22.1%)

2位以下と大差をつけた1位は、「ベビー・子ども用品代」でした。これには、子ども服やベビーカー、チャイルドシートなどが含まれています。育児の環境を整えるためには、それなりのお金をかけたいというママたちの意志が感じられます。

そして、2位は「教育費」という結果に。今回は一番下の子が3歳未満のママを対象にした調査でしたが、それでも教育費に対する意識は高いようです。将来の教育費を今のうちから見据えているママが多いのでしょう。

気になる教育費…1人あたりいくら必要?

多くのママが気にしている「教育費」。なかでも金額の大きい大学費用は、いくら用意しておけばいいものなのでしょうか。文部科学省が2018年12月26日に公表した「2017年度(平成29年度)入学者の学生納付金等調査結果」の結果、私立大学(学部)に要する金額は以下の通りとなりました。

授業料:900,093円
入学料:252,030円
施設設備費:181,294円

これらを全てあわせた「初年度学生納付金」は1,333,418円。これに実験実習料等を合算すると、初年度に1,455,729円が必要であると算出できます。

なお、国立大学の授業料は年間53.5万円、入学金は28.2万円となっています。この金額は、国立大学法人化制度が始まった2005年度からずっと同じ状態です。

両者を比べると、金額の差はかなり大きいといえるでしょう。子どもがどんな進路を希望しても焦ることのないよう、余裕を持った貯金計画を進めておきたいものです。

習いごとの費用も忘れてはならない