老齢年金生活者支援給付金の金額は、人によって大きく変わります。分かれ目は、国民年金の保険料を何月分納めてきたかという一点です。

2026年度(令和8年度)の給付基準額は月5620円。ただしこの金額に届くのは、480月すべてを納めた方だけです。

齊藤 慧
「基準額」という言葉は上限を指しています。自分がどのくらいの位置にいるかは、納付済月数が分かれば計算できます。

この記事では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件と2026年度の給付額、支給日、請求の手順を順番に見ていきます。

なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
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ココがポイント
  • 2026年度の老齢の給付基準額は月5620円で、これは保険料480月を納めた場合の金額です
  • 実際の支給額は納付済月数に比例するため、480月に届かない方はその割合の分だけ小さくなります
  • 支給要件は65歳以上・世帯全員が市町村民税非課税・前年の年金収入等80万9000円以下の3つです

1. 年金生活者支援給付金とは?年金に上乗せされる3つの給付金

年金生活者支援給付金とは、基礎年金の受給者が所得などの条件を満たしたときに、年金へ上乗せされて支給されるお金のことです。

どの年金を受けているかによって、対応する給付金が決まります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

基礎年金を受け取っている方が、所得の低下などにより新たに給付金の対象になった場合には、例年9月の第1営業日から順に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が薄緑色の封筒で送られます。

※老齢年金を繰上げ受給中の人は、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に届きます。

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金」

はがき型の請求書が届いたケースでは、電子申請という方法も用意されています。

スマートフォンかパソコンとマイナンバーカードで申請を済ませれば、郵送は不要です。

2. 老齢年金生活者支援給付金の支給要件。年齢・住民税・所得の3点で判定

ここから先は、3種類のうち高齢期の家計に最も広く関わる老齢年金生活者支援給付金だけを扱います。

2.1 支給要件は3つ。世帯に課税されている人がいれば対象外

支給対象になるのは、次の3つの要件を満たす方です。年齢と住民税、そして前年の所得という3方向から判定されます。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下(※)である

なお、障害年金や遺族年金などの非課税収入は、3つめの判定には含まれません。

※昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

3. 2026年度の給付基準額は月5620円。金額は納めた月数に比例する

この給付金には、物価変動率を踏まえて年度ごとに金額を改定する仕組みがあります。

2026年度分については、前年度から「+3.2%」の改定となりました。

年金生活者支援給付金の支給金額2/3

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

3.1 給付基準額は月額5620円。480月納付でこの金額に届く

2026年度の基準額は月額5620円です。実際の支給額はこれを上限として、保険料納付済期間などに応じて決まります。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、2025年3月における老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(※)が4146円と示されています。

※2025年3月において認定されている平均給付金額です。給付基準額が月5310円だった令和6年度に支給されていた金額のため、2026年度の5620円とは基準が異なります。

3.2 偶数月の15日に年6回。年金と同じ口座へ別振込

支給日は年金と同じく、偶数月の15日です(※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に前倒し)

入金先は年金の受取口座ですが、給付金は別の振込として処理されます。通帳の記録が2つ並ぶのはそのためです。

1回に支払われるのは前月までの2カ月分で、10月なら8月・9月分、12月なら10月・11月分という区切りになります。

4. 国民年金と厚生年金の平均年金月額。所得判定の中身を確かめる

3つめの要件で見られる年金収入は、現役時代の加入状況によって大きく変わります。全体の水準を、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から引用して確かめておきましょう。

厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

5. 年金生活者支援給付金の請求手続き。届いた書類の種類で出し方が変わる

支給要件を満たしても、請求しなければ支給は始まりません。年金本体と同じように、手続きを踏んで初めて受け取れるお金です。

ここでは、65歳を迎える方と、すでに老齢年金を受け取っている方に分けて手順を追います。

5.1 65歳到達の3カ月前に届く書類でそのまま請求

誕生日の3カ月前になると、老齢基礎年金の請求書と給付金の請求書がまとめて郵送されます。

必要事項を書き入れて、年金の請求書と一緒に最寄りの年金事務所へ提出します。

5.2 受給中に対象となった人は9月以降のはがきで請求

前述のとおり、すでに老齢年金を受け取っている方が所得の低下などで新たに対象となった年は、毎年9月の第1営業日から順に、はがき型の請求書が届きます。

必要事項を書いて、郵便ポストへ投函するだけで完了します。

5.3 2年目以降の手続きは不要。通知書で結果を確認

いったん請求を済ませれば、支給要件を満たしている間は2年目以降の手続きが必要ありません。

継続支給の判定は前年の所得でおこなわれ、結果は毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。

給付額が変わったときは「年金生活者支援給付金支給金額変更通知書」が、対象から外れたときは「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届きます。

齊藤 慧
納付済月数が分かれば、受け取れる金額はその場で計算できます。ねんきん定期便やねんきんネットで加入記録を確かめてみてください。