4. 【資産寿命】貯蓄500万円を毎月10万円ずつ取り崩すと4.2年
年金で足りない分は貯蓄から補うことになります。その貯蓄が何年もつのかは計算できます。
ここでは貯蓄500万円を毎月10万円ずつ取り崩す場合を試算します。年金と支出の差額が月10万円ある方が対象のイメージです。
4.1 【最短ケース】4年あまりで500万円が尽きる
- 貯蓄額:500万円
- 毎月の取り崩し額:10万円
- 年間の取り崩し額:120万円
- 資産寿命:4.2年
- 65歳から始めた場合:69歳頃まで
65歳から取り崩し始めると、69歳頃には底をつく計算です。70歳を迎える前に使い切ってしまう水準なので、取り崩し額を抑えるか収入を増やす手立てが必要になります。
※500万円÷(10万円×12)で求めた単純計算です。運用益や物価上昇、介護費用や住宅修繕といった突発的な支出は考慮していません。
取り崩し額を月1万円減らして9万円にすると、資産寿命は4.6年へ0.5年延びます。ペースが速い局面では、1万円の削減でも半年分しか延びません。
4.2 運用しても底をつく年は動かない
残った資産を年率2パーセントで運用しながら取り崩すと、資産寿命は4.2年から4.4年へ、0.2年延びる計算になります。65歳から始めた場合、底をつく時期は69歳頃のままでほとんど動きません。
取り崩すペースが速いと、運用益が出る前に元本が減ってしまうため、延ばせる期間はごくわずかです。しかも運用には値動きがあり、この年率が保証されるわけではありません。取り崩しの初期に下落すれば、かえって早く底をつくこともあります。
貯蓄500万円を月10万円で取り崩すなら4.2年が目安です。この水準では運用に期待するより、支出を見直すか働く期間を延ばすほうが確実です。使う予定が近い資金は現金で持っておきましょう。
5. 老後資金は年金額を確かめてから取り崩し額を決める
女性のライフコース別の年金月額は、厚生年金期間中心の13万4640円から第1号被保険者期間中心の6万1771円まで分かれます。第3号被保険者期間中心のケースは7万8249円でした。
65歳以上の単身無職世帯の支出は16万1435円です。女性の3パターンはいずれも年金だけでは届かず、差額は貯蓄から埋めることになります。
2026年度の年金額は国民年金が満額で月7万608円ですが、これも例のひとつです。自分の見込み額を「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確かめ、そこから毎月いくら取り崩すのかを決めていきましょう。
参考資料
齊藤 慧
