「老後は月20万円あれば安心」という声はよく聞きますが、実際に厚生年金だけで月20万円以上を受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の月額階級別分布によると、厚生年金保険(第1号)で月額20万円以上を受給している受給権者は総数の18.8%。男女別では男子27.5%、女子1.7%と、階級の中で最も男女差が大きい層です。

この記事では、20万円以上を受け取っている人の割合と、その背景要因を、令和6年度末のデータから整理します。

この記事では、以下の記事の内容も引用・参考にしています。

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ココがポイント
  • 厚生年金20万円以上の受給権者は総数の18.8%(約303万人)
  • 男女別では男子27.5%(約294万人)、女子1.7%(約9万人)で男女差が最大
  • 20万円以上を受給する条件は、長い加入期間・高い平均標準報酬月額・繰上げなしの3要素が揃うこと

1. 厚生年金20万円以上は総数18.8%、男性は27.5%

令和6年度末の分布データを、階級別に見ていきます。

1.1 受給権者1608万人のうち、20万円以上は約303万人

「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の月額階級別分布によると、厚生年金保険(第1号)の老齢年金受給権者1608万5696人のうち、月額20万円以上は約303万人(18.8%)。20〜25万円が16.5%、25〜30万円が2.2%、30万円以上が0.1%という内訳です。

1.2 男子27.5%、女子1.7%と男女で大きな開き

男女別で見ると、男子1067万人のうち20万円以上が約294万人(27.5%)、女子540万人のうち約9万人(1.7%)。男子は約4人に1人、女子は約59人に1人という差があります。

10万円未満(男子9.3%/女子38.2%)と対照的に、20万円以上は男子が圧倒的に多く、階級の中で最も男女差が大きい層です。

厚生年金 20万円以上の受給権者割合(男女別)1/2

厚生年金20万円以上の男女別割合

出所:LIMO編集部作成

2. 20万円以上を受け取る条件は「3要素が揃う」こと

月20万円以上の受給を実現するには、どんな条件が必要でしょうか。

2.1 要素①|長期加入(35〜40年)

老齢厚生年金の受給額は、加入期間と平均標準報酬月額の掛け算で決まります。20万円以上を狙うなら、加入期間は35〜40年が目安です。22歳から60歳まで途切れず厚生年金に加入するイメージです。

2.2 要素②|高い平均標準報酬月額(35〜40万円台以上)

加入期間が長くても、平均標準報酬月額が20万円台では20万円ラインには届きません。現役期を通じて平均標準報酬月額35〜40万円台以上を維持する必要があります。

2.3 要素③|65歳以降の本来受給・繰上げなし

本来の受給開始年齢(65歳)で受給を始めることも重要です。60歳から繰上げると受給額が最大24%減額されるため、20万円ラインに届いていた人でも15〜17万円台に下がることがあります。

20万円以上を受け取る条件(イメージ)2/2

厚生年金20万円以上を受け取る条件の3要素

出所:LIMO編集部作成

3. 65歳以上男子の平均は17万3033円

参考として、65歳以上の受給権者の平均月額を確認しておきます。

3.1 65歳以上男子は17万3033円、女子は11万4797円

令和6年度末の65歳以上受給権者の平均月額は、男子17万3033円、女子11万4797円。男子平均は20万円ラインまであと2万7000円という位置です。

この平均より2万7000円以上高い層が20万円ラインの27.5%。加入期間・報酬水準・受給開始年齢の3要素が揃った層が該当する構造が見えてきます。

和田 直子

単独で20万円以上を目指すだけでなく、夫婦での世帯合計額の把握やiDeCo・NISAなどの自助努力を組み合わせることが現実的です。ご自身の受給見込額を踏まえ、年金だけに頼らない多角的な老後資金の設計を行いましょう。