フードデリバリーサービス「menu」が、2026年9月30日をもってサービスを終了します。運営会社のmenu株式会社も、サービス終了後に解散・清算される予定です。

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出所:menu株式会社

出所:menu株式会社

運営元のKDDI株式会社は、8月19日、フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化や今後の事業見通しを総合的に検討した結果、経営資源の最適配分の観点からサービス終了を決めたと発表しました。

一方で、フードデリバリー市場そのものが縮小しているわけではありません。

サカーナ・ジャパン株式会社の調査によると、2025年のデリバリー市場規模は8240億円の見込みで、2019年比では97.0%増。コロナ前の約2倍に達しています。

巨大な市場が存在するにもかかわらず、なぜmenuは撤退するのでしょうか。

背景にあるのは、市場の消滅ではなく、コロナ禍を経て「成長すれば勝てる市場」から「勝ち残れる企業が限られる市場」へと変化した、フードデリバリー業界の構造変化です。

ココがポイント
  • 「menu」が2026年9月30日にサービス終了。運営会社は完全子会社化したのち、解散へ
  • 市場規模は2025年で「8240億円」。巨大市場でも大手サービスの撤退が相次ぐ理由を解説
  • 生き残るための条件は?デリバリーサービスは「特別な日の選択肢」から「生活のインフラ」へ

1. KDDIがmenuを終了する理由は?

menuのサービスが終了するのは、2026年9月30日です。

KDDIはサービス終了の理由について、リリース内で「フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化や今後の事業見通しを総合的に検討した結果、経営資源の最適配分の観点からサービスを終了する判断に至った」とコメントしています。

今回の発表で注目したいのが、サービス終了に先立ってKDDIがmenuを完全子会社化する点です。

これまでmenuはKDDIとレアゾン・ホールディングスの共同運営体制でしたが、KDDIは8月31日にレアゾンが保有するmenuの全株式を取得し、完全子会社化したうえでサービスを終了。さらに、運営会社は解散および清算する予定です。

同社はサービス終了の前に完全子会社化する理由を「顧客、加盟店、配送員への対応などを円滑に進めるため」と説明しています。

2. テイクアウトから始まった「menu」コロナ禍で急拡大

menu株式会社は2018年10月に設立されました。

現在はフードデリバリーのイメージが強いmenuですが、もともとはテイクアウトサービスとしてスタートしています。テイクアウトサービスを開始したのは2019年4月からで、スマートフォンから商品を注文・決済して店舗で受け取るという仕組みを展開しました。

大きな転機となったのが2020年です。新型コロナウイルスの感染拡大によって外食需要が大きく変化するなか、同年4月からデリバリー機能を本格的に開始し、サービスを急速に拡大しました。

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出所:menu株式会社

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2021年には47都道府県への展開を達成。さらに同年6月にはKDDI株式会社と資本業務提携を締結しました。KDDI株式会社がmenu株式会社に注目した背景には、単なるフードデリバリー事業への参入だけではなく、auの顧客基盤やau PAYなどとの連携があります。

2022年にはKDDI株式会社が追加出資し、クイックコマース領域も強化。2023年にはKDDI株式会社、レアゾン・ホールディングス株式会社、menu株式会社の3社が提携を強化し、KDDI株式会社が50.6%、レアゾン・ホールディングス株式会社が49.4%を保有する体制となりました。

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出所:menu株式会社

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この時点では、menu株式会社を国内トップクラスのデリバリーサービスへ成長させることが目標とされていましたが、そこから約3年でサービス終了が決定。「コロナ禍で急成長したデリバリーサービスが、成熟市場で選別される」という現在の業界構造を、menu株式会社の歴史は象徴しています。