4. 「脱・お土産」を目指している東京ばな奈
東京ばな奈といえば、東京駅や羽田空港で購入する「ターミナル型商品」の代名詞でした。
しかし、近年はパンデミックや世界情勢の変化に伴う人流減少のリスクを経験したことで、同社は「旅先で買う特別なお菓子」から「生活導線上で日常的に買えるスイーツ」へのシフトを進めています。
その主軸となるのが、コンビニエンスストアなどの日常の買い物をする場所での展開や積極的な異業種コラボレーションです。35周年の記念イヤーにおいて、同社は多角的なコラボ企画を間髪入れずに打ち出しています。
たとえば、7月には同じくブランド誕生35周年を迎えたカルビーのロングセラー商品「フルグラ」とのコラボを展開。バナナピューレを香ばしく焼き上げた東京ばな奈型のチップを混ぜ込み、朝食として楽しめる「フルグラ 東京ばな奈味」を販売しました。
さらに、ロッテの定番菓子「コアラのマーチ」ともタッグを組み、東京ばな奈らしいバナナの甘さにキャラメルのコクを加えた「コアラのマーチ(キャラメルバナナ味)」を限定発売するなど、人気ブランド同士のシナジーを生み出しています。
高い話題性を誇る人気キャラクターや注目IPとのコラボも精力的に行っています。
人気作品「ちいかわ」とのコラボでは、代表商品のバナナプリンケーキに持ち歩きに便利な限定エコバッグをセットにした商品を投入し、大きな反響を呼びました。
普段のおやつや朝食で親しまれている定番商品や、日常的に訪れるコンビニ、国民的人気キャラクターと組むことで、「お土産売り場に行かなくても目にする存在」を作り出し、ブランドの接触機会を増やしています。
5. トレンドウォッチャーのひとこと

「東京ばな奈」は1991年の発売以来、累計販売数が20億個を突破し、ユーロモニターの調査でも「バナナカスタードスポンジケーキブランドとして世界一」の売上を記録するなど、日本を代表する手土産ブランドとしての地位を確立しています。
今回のファミリーマートにおける展開は、駅や空港といった購買拠点から日常的な生活圏へ進出し、親しみやすさを醸成する「脱・お土産」を意図した取り組みと捉えられます。
さらに注目されるのは、国内展開にとどまらず、台湾ファミリーマート約4400店においても同時にコラボレーションを実施する点です。
台湾は訪日旅行客の割合が高く、「東京ばな奈」の認知度がすでに定着している地域です。日本滞在中にコンビニエンスストアで限定商品に触れさせることで親近感を高め、帰国後にも商品の購買へつなげる効果が期待されます。
手土産としての実績と認知を基盤に、国内での日常化と海外現地での市場開拓を並行して進める今回の施策は、ブランドの持続的な成長を見据えた多角的なマーケティング戦略と言えます。
参考資料
- 「東京ばな奈」
- 株式会社グレープストーンリリース「「東京ばな奈」と「ファミリーマート」が過去最大コラボ。“日本&台湾”の同時期開催はファミマ史上初!日本国内では7種のバナナスイーツ新登場」
- 株式会社グレープストーンリリース「「東京ばな奈」が「フルグラ®」と初コラボ!ブランド史上最も朝食にピッタリな東京ばな奈が誕生【35周年記念コラボイヤー第4弾】」
- 株式会社グレープストーンリリース「「東京ばな奈」×「コアラのマーチ」“キャラメルバナナ味”新登場!エコバッグ&キーホルダーも再販決定【35周年記念コラボイヤー第5弾】」
- 株式会社グレープストーンリリース「【ちいかわ×東京ばな奈】コラボグッズ第2弾『エコバッグセット』誕生!持ち歩きに便利なエコバッグとバナナプリンケーキをセットで」
大蔵 大輔


