7. 実は目減りしている?高齢者世帯の貯蓄、2025年は6年ぶりの減少に

インフレの影響は、日々の生活費といった支出面だけでなく、シニア世帯の大切な「資産」にも色濃く表れています。

総務省の「家計調査(2025年平均)」によると、世帯全体の貯蓄が増加傾向にある一方で、年金を中心に暮らす高齢者世帯では貯蓄の取り崩しが進んでいる実態が浮き彫りになりました。

  • 二人以上世帯全体: 貯蓄現在高は平均2059万円(前年比+3.8%)
  • 65歳以上の無職世帯: 貯蓄現在高は平均2494万円(前年比▲2.6% / 金額にして約66万円の減少)

シニア世帯の貯蓄がマイナスに転じたのは6年ぶりのことです。

内訳をみると、定期性預貯金が▲9.4%減、通貨性預貯金が▲4.4%減となっており、現金の取り崩しが進む一方、有価証券の増加(+1.8%増)では目減り分を補いきれていません。

7.1 年金収入と物価上昇の「スピード差」が要因に

背景にあるのは、年金額の伸びが物価上昇に追いついていないという現実です。

2025年の高齢無職世帯の年間収入は前年比+1.5%増にとどまったのに対し、同年の消費者物価指数は+3.2%上昇しました。生活費の不足分を、貯蓄を切り崩すことでしのいでいる厳しい状況がうかがえます。

現役世代で資産形成が進む裏で、シニア世帯の貯蓄は静かに目減りしています。

だからこそ、家計の防衛策として「年金生活者支援給付金」のような上乗せ制度をしっかりと申請し、確実に活用することがこれまで以上に重要になっているのです。

8. 年金生活者支援給付金が「非課税所得」であることのメリットとは?

年金生活者支援給付金は、税金がかからない「非課税所得」として扱われます。これは家計にとって見逃せない大きなメリットといえるでしょう。

まず、給付金を受け取っても所得税や住民税は一切課税されません。

さらに重要なのは、翌年度の住民税や、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料を算定する際の所得金額に含まれない点です。

これらの保険料や税金は前年の所得をもとに計算されるため、給付金を受給したことで翌年の支払額が増える心配はありません。

9. まとめ|年金生活者支援給付金は申請が必須!制度を正しく理解して家計防衛を

2026年度の年金生活者支援給付金は、近年の物価高を背景に給付額が引き上げられました。

夫婦2人で要件を満たせば年間で約13万5000円の収入増となり、家計の負担を和らげる一助となるでしょう。

ただし、日本の社会保障制度の多くは、自ら「申請しなければ支給されない」仕組みになっています。

ご自身が対象かどうか、またご両親が案内書類を見過ごしていないか、この機会に確認してみてはいかがでしょうか。

こちらの記事では「公的年金全般」についての知識が網羅されています。ぜひご参考にしてください。

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10. 監修者からのコメント

熊谷 良子

この制度を利用できるかどうかは、郵送されてくる案内を見逃さずに手続きできるかどうかにかかっています。

うす緑色やうすだいだい色の地味な封筒を「よくある広告」と誤解し、開封せずに処分してしまわないようご注意ください。

届いたらまず中身を確認し、期限に余裕を持って手続きを済ませましょう。

家族同士で声をかけ合うことも、本来受け取れるはずの給付金を取りこぼさないための確実な対策となります。

参考資料

池上 翠