ブラック飲食業「現場の生の声」を聞く。異常な長時間労働と主従関係の実態

おいしい食事と食べたときの幸福感に期待して、タウン誌やインターネットで飲食店を探す人も多いのではないでしょうか。日常の疲れやストレスを癒してくれると言っても過言ではない外食ですが、それぞれの店舗の味と同じように、働いている人たちの労働環境は店舗によって大きな差があるのです。

今回は、接客改善業務や金融機関での勤務経験をもとに、飲食業界で常態化している薄給や異常な長時間労働、奴隷のような主従関係の実態に迫ります。

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飲食業界が薄給ってホント?

求人誌やインターネットの求人情報では、パートやアルバイトの時給を見ても、社員の月給を見ても、飲食業界が特に薄給だとは感じないかもしれません。

一方、国税庁の「平成29年分 民間給与実態統計調査」(平成30年9月発表)では、飲食業・宿泊サービス業の年間平均給与は約253万円で、ダントツに低い結果となっています。ちなみに最も年間平均給与が多いのは電気・ガス・熱供給・水道業の747万円、最下位の飲食業・宿泊サービス業の次に低いのは農林水産・鉱業の326万円です。

このように、飲食業界すべてが薄給というわけではないものの、全体的には低い水準にあると言えるでしょう。では、なぜそうなのか。調査の結果や飲食業界で働く人たちから聞いたことからその原因を考えてみると、下記のようなことが大きく影響していると言えそうです。

■社員・店長クラスの場合
・住宅手当や家族手当などの手当が少ない
・サービス残業が多い

■バイトやパートの場合
・週3勤務など、思うようにシフトに入れない
・シフトが増えてくると、サービス残業が暗黙の了解となる

■全労働者共通
・飲食業界はボーナス金額が低い

飲食業界が異常に長時間労働なのはナゼ?

サービス残業100時間は当たり前。200時間以上もの残業をしている人もいるといわれる飲食業界。実際、2016年には月200時間を超えるサービス残業でうつ病になったと、30代の飲食店従業員が会社を提訴した事案もありました※1。一体どうしてこのような異常な長時間労働が改善されずにいるのでしょうか。

理由の一つは、多くの飲食店で長時間労働がまかり通っている状態だということ。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と似た心理が働いているようです。また、法外な長時間労働に対する労働基準監督署の罰が、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」と軽いことも、経営陣や店長クラスが労働時間を改善しない原因と見られます。

さらに、顧客獲得などの過当競争から提供価格が下がり、店舗の賃料や材料費などを差し引いた儲けが薄いために残業代などがカットされるといったことも考えられます。

※1:『月200時間を超えるサービス残業でうつ病に 飲食店従業員が会社を提訴』(弁護士ドットコムニュース)

奴隷のような主従関係ができあがるメカニズム

参考記事

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3人の子ども(21歳・17歳・8歳)のシングルママ。
現在は、主にライター業務を中心に、接客改善業務にも携わりつつ日本全国を徘徊中。
接客改善業務の経験や金融会社での勤務経験、過去の波乱万丈な経験なども交えつつ、読者の暮らしに役立つリアルな情報提供を心がけている。
コミュニケーションに関する記事のほか、レジャーや旅、暮らしや妊活、ママ向け記事やインタビュー、経営者向けの記事、食の資格を生かした記事など幅広く執筆中。