以上のように、飲食業界で働いている人たちや過去に働いていた人たちの声から問題点を読み解いていくと、やはり長時間労働や労働に見合わない給与についての不満が多くを占めています。
ただし、学生のアルバイトやランチタイムのみなどの短時間パートの場合には満足度が高いという面も垣間見えました。その反面、社員や役職のある人たちの多くが過酷な労働条件のもとで働いていることが浮かび上がってきます。
飲食業界で社員や店長クラスのスタッフが定着しない理由のひとつとして、こうした過酷な労働が大きな原因の1つとなっていることは否めません。
過酷な労働や理不尽な扱いに耐えてはいけない
これまでに紹介したように、飲食業界では、過酷な労働条件のもとで働いている人たちや上司たちからの理不尽な扱いに耐えて日々をやり過ごしている人たちも少なくありません。
しかし、いくら店のためにサービス残業をして働いても、体調やメンタルを壊してしまえばクビになってしまいます。また、上司たちからの理不尽な扱いに耐えていても、理不尽な扱いがなくなる可能性は非常に低いと言えます。
もし、働き始めた飲食店の労働時間がおかしいと感じたり、上司たちからの扱いに違和感をおぼえたりした場合には、冷静に自分の置かれた状況を判断してみましょう。
たとえ、「○○さんがいないと仕事がまわらない」などと言われても、「自分が休んだり辞めたりしたら迷惑をかける」などと考えず、サービス残業や不当な扱いが「おかしい」と正常な判断ができる早い段階で、転職や辞職を考えてみてくださいね。
まとめ
今回紹介したような長時間労働や上司からの理不尽な扱いなどは、飲食業界だけでなくどの業界でも起こり得ることです。現在すでに働いている人も、就職・転職を考えている人も、職場環境に違和感をおぼえたら我慢や放置をせず、まずは第三者視点で冷静に自分の置かれている状況を見つめてみることをおすすめします。
山内 良子