担当していたA社の案件が片付いた中堅社員の主人公。次の仕事の指示を伺いに係長の席に出向いたところ、B社の案件を担当するように指示されます。しかし、それは本来係長が担当していた案件でした。「これは係長に割り振られた仕事では?」と尋ねる主人公に、係長が一喝します。

「そんなのはわかっている。君がもっと成長して、会社の役に立ってくれたらと思って、あえて割り振っているんじゃないか!」

「…自分が楽したいだけなんじゃないのか?」と心の中でつぶやく主人公。そして、脳内で妄想スイッチが入ります。

B社の案件を終え、係長に報告をする主人公。なぜか、ひと回り大きくなっています。「よし、成長したな!次はC社だ。」と、次の仕事を指示する係長。そして、主人公は、C社、D社と次々に仕事をクリアしていきます。そして最後のZ社の仕事を終えた時には、もうオフィスには入ることができないくらいの大きさに成長してしまった主人公。窓の隙間から、「Z社の案件終わりました。」と係長に報告をすると、「じゃ、次は会社の外壁工事な。」という指示が!

ああ、たしかに成長したら、会社の役には立つよなあ…。(妄想終了)

この場はとりあえずB社の案件を引き受けておくことにした主人公、「わかりました。」と資料を受け取って自席に戻ります。すると係長のところに、入れ違いにやってきた新人女子が「C社の案件、終わりました。」と報告を始めます。すかさず、「次はD社を頼む」と、主人公と同じように、自分の担当である案件を彼女に割り振る係長。すると、新人女子が「そういえば、C社から追加の案件をいただきまして。」と、係長に資料を差し出しました。資料を確認した係長は、ビックリ。「すべて俺の担当?なんだこれは!」すると、新人女子がにっこり笑って一言。

「係長に成長して欲しくて!私がC社に提案させていただきました。」

部下に様々な経験を積んでもらうために、自分がやったほうが早い仕事を、あえて部下に任せるということをする上司はたくさんいます。しかし、本当に部下を成長させたいと思ってやっている上司であれば、部下の仕事量のバランスや、うまく行かなかった場合のフォローなど、ある程度の計算や準備をしているもの。右から左へ自分の仕事を部下に流すというのは、はてさて、いかがなものでしょうか。

係長に仕事を投げ返すという新人女子の荒業(?)の是非はさておき、仕事を指示されるたびに「それ、本当に私の成長を思ってのことですか?」と上司になかなか聞き返すことができずにモヤモヤしている読者の中には、思わずニヤリとしてしまった方もいるのではないでしょうか。次回もどうぞお楽しみに。

【マンガ記事】妄想シャイン

入社3年目でようやくこなれてきたサラリーマンの主人公は、ストレスが溜まるとひたすら妄想しながら乗り切る、妄想社員。オフィスでよくある、ちょっとしたイライラやモヤモヤを、今日も妄想しながら乗り切ります。

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