「年金、たしかに増えたはずなのに、生活が楽になった感じがしない」——2026年度の年金額改定から数カ月が経ち、こうした声を耳にすることが増えてきました。
2026年度(令和8年度)の年金額は前年度より国民年金で1.9%、厚生年金で2.0%増額されています。
ただし、この改定率は3.2%という物価上昇率には届いていません。額面は増えても、実際に買えるものの量という点では目減りしている可能性がある——このギャップに気づいている人は、意外と多くありません。
本記事では、2026年度の年金額の具体的な目安と次回の支給スケジュールを確認したうえで、年金を受け取るために欠かせない手続きや、見落としがちな「空白期間」への備えについても整理していきます。
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2026年度の年金は国民年金1.9%、厚生年金2.0%増額されたが、物価上昇3.2%には届いていない
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次の年金支給日は10月15日(木)で、8月・9月分がまとめて振り込まれる
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65歳からの受給には自分での請求手続きが必須、60歳定年なら最大5年の「空白期間」に備えが必要
1. 【年金】2026年度はいくらになった?増額の内容と次の支給日を確認
公的年金の金額は毎年度改定されます。2026年度(令和8年度)は物価や賃金の動きを踏まえて見直され、国民年金は前年度より1.9%、厚生年金は2.0%の増額となりました。
では、2026年度に実際に受け取れる年金額の目安を確認してみましょう。
- 国民年金(満額):月額70608円(前年度比+1300円)
- 厚生年金(標準的な夫婦2人分):月額23万7279円(前年度比+4495円)
今回の改定で4年連続の増額となったものの、物価上昇率3.2%は年金の改定率を上回っており、実質的な購買力は低下しています。
これまで以上に、日々の支出を意識した家計管理や資産形成が重要になっています。
年金の支給は原則として偶数月の15日で、直前の2カ月分がまとめて後払いされる仕組みです。ただし15日が土曜・日曜・祝日と重なる場合は、直前の金融機関営業日に繰り上げられます。
- 2026年10月15日(木):2026年8月・9月分
- 2026年12月15日(火):2026年10月・11月分
次回の年金支給日は10月15日で、8月・9月分がまとめて振り込まれます。
なお、2026年度の新しい年金額はすでに6月の支給分から反映されていますが、改めてご自身の口座で受給額を確認し、これまでの生活設計とズレがないかチェックしておくと安心です。
2. 【年金】平均受給額はいくら?男女差と「ねんきん定期便」の見方
日本の公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」からなる2階建ての仕組みです。現役時代の働き方や収入、加入期間によって、将来受け取れる年金額には大きな差が生じます。
2.1 厚生年金・国民年金の平均受給額
令和6年度(2024年度)時点の平均受給月額は以下の通りです(厚生年金は第1号被保険者のデータ※注)。
厚生年金(国民年金部分を含む)
- 男女全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
(※注)厚生年金の被保険者は第1号から第4号まで区分されています。「第1号」は民間企業の会社員など、「第2号」は国家公務員、「第3号」は地方公務員、「第4号」は私立学校教職員です。
厚生年金は現役時代の給与や加入期間が反映されるため、出産・育児で離職や時短勤務をするケースが多い女性は、男性より平均で約6万円(5万8554円)低くなっています。
国民年金
- 男女全体:5万9310円
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
一方の国民年金は男女差が約4013円と小さいものの、未納・免除期間の影響で満額を受け取れていない人も少なくありません。
将来の受給額を具体的に把握するには、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の活用が有効です。
2.2 「ねんきん定期便」は50歳を境に内容が変わる
50歳未満の人に届く内容
記載されているのは「これまでの加入実績に応じた年金額」です。今後納める保険料分は反映されていないため少なく見えますが、納付を続けることで将来の年金額は増えていきます。
50歳以上の人に届く内容
現在の加入条件が60歳まで続くと仮定して算出した、「65歳から受け取る場合の年金見込額」が掲載されます。将来の受給額をより具体的にイメージできます。
「ねんきんネット」ならスマートフォンからいつでも年金記録を確認できるため、早めに正確な金額を把握しておきましょう。
3. 監修者からのコメント
今回の年金額改定で見落とされがちなのが、増額率が物価上昇率にそのまま連動しているわけではない、という点です。
年金額は「物価変動率」だけでなく、現役世代の減少や平均寿命の延びを踏まえて増額を抑える「マクロ経済スライド」という仕組みによっても調整されています。厚生労働省の発表資料でも、2026年度はこのマクロ経済スライドによる調整が行われたことが示されています。
つまり、年金額が物価上昇率を下回るのは制度上想定された仕組みであり、今後も同様の傾向が続く可能性があります。増額されたからと安心せず、実質的な購買力の変化を意識した家計管理を続けることが大切です。
実際にいくら増えたのかは、給付通知や「ねんきんネット」でも確認できます。改定のたびに自分の受給額を照らし合わせておく習慣をつけておくと、将来の資金計画も立てやすくなります。






