バンダイナムコ(7832)の株価が、足元で大きく上昇している。2026年3月期は売上高も利益も過去最高を更新した。

ただ、中身を開くと少し意外な姿が見える。最も稼いだのはゲームではなく、ガンダムのプラモデルなどを抱えるトイホビー事業だった。同社の収益構造を、事業別に追ってみたい。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

足元で大きく上昇した株価、直近1カ月の動き

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

まず直近1カ月の株価を確認する。バンダイナムコの株価は8月6日、4,885円で引けた。前日から大きく上昇し、直近1カ月では最も高い水準をつけている。1カ月前は4,000円台前半だった。

この間、株価は緩やかに水準を切り上げてきた。8月に入っての急な上昇には、決算や事業への期待が意識された可能性がある。もっとも、株価の短期の動きは需給や地合いにも左右される。背景を一つに決めつけるのは避けたい。

直近時点でPER(株価収益率)は24倍、PBR(株価純資産倍率)は3.6倍となっている。

PBRの高さは、稼ぐ力の強さと、無形のIP価値に対する市場の評価を映していると読める。

稼ぎ頭はゲームではなくトイホビー、2026年3月期の中身

2026年3月期は、売上高1兆3,482億円で前期比+8.6%、営業利益1,895億円で+5.2%、純利益1,406億円で+8.8%となった。いずれも過去最高である。

中身を事業別に見ると、意外な姿が浮かび上がる。最も稼いだのはトイホビー事業で、営業利益は1,269億円と全体の中心だった。前期比+24.2%で、売上高営業利益率は約20%に達する。

一方、ゲームを含むデジタル事業の営業利益は566億円で、前期から2割近く減っている。

会社によると、トイホビーは各カテゴリーが好調に推移し、収益が伸びた。背景にあるのはガンダムシリーズだ。

新作の映像作品がヒットし、大阪・関西万博への出展もあって、IP(キャラクターなどの知的財産)の話題が広がった。プラモデルや関連商品がこれを取り込んだ形である。

ゲーム会社という言葉から連想される姿と、実際の収益源は少しずれている。デジタルが主役という見方が先に立つが、足元で全体を支えているのは玩具の側だ。多彩なIPを事業横断で展開する戦略が、収益のポートフォリオとして効いていると読み取れる。ゲームの一本足ではない稼ぎ方が、いまの利益を支えている。