5. 1株を2株にする株式分割も発表、今年度2回目

決算と同じ8月4日、同社は株式分割も発表しました。2026年9月30日を基準日として、普通株式1株を2株に分割し、効力発生日は2026年10月1日です。同社は2026年1月1日にも同じ比率の株式分割を実施しており、今回は同一事業年度内で2回目の分割になります。

分割にあわせて、2027年3月期の期末配当予想も見直されました。分割後の株数を基準とした期末配当は20円から10円に変更されていますが、これは分割前の株数に換算すると20円のままで、中間配当の15円と合わせた実質的な配当額は、従来予想の年間35円から変わりません。配当方針自体も、1株当たりのベース額を20円から10円に変更していますが、これも分割比率に合わせた調整であり、実質的な方針変更はありません。

6. イビデンの8月5日の株価

終値20,330円(前日比:+4,000円、+24.49%、ストップ高)

6.1 直近1週間は値動きの荒い展開が続いていた

イビデンの株価は、今回の急伸の前から値幅の大きい展開が続いていました。7月31日には前日比+21.98%の16,650円まで買われた一方、8月3日には▲6.70%の15,535円まで売られ、8月4日に再び+5.12%の16,330円まで戻すなど、上下に振れる場面が繰り返されていました。7月28〜29日の急落から8月5日までの1週間強で見ると、株価は13,470円台から20,330円まで急反発した形です。

7. バリュエーション面では上昇後の水準にある

8月5日終値の20,330円をもとにした指標では、PER(会社予想、連結)は67.62倍、PBR(実績、連結)は9.97倍、配当利回り(会社予想)は0.17%となっています(1株配当は35.00円を予想、分割前の株数換算)。ただし、上場来高値は7月1日につけた27,480円で、5日のストップ高(20,330円)はそれよりも低い水準です。年初来安値は1月9日の6,592円で、ここから見ると株価はすでに大きく上昇した後の水準にあることになります。出来高は901万株、時価総額は5兆7,319億円でした。

イビデンの12カ月チャート1/1

イビデンの12カ月チャート

出所:各資料より筆者作成

8. 記者コメント

短期間で急激に買われた株は、材料が出尽くしたと見られた段階で利益確定売りが出やすくなる面があります。また、10月1日の株式分割の効力発生に向けて、需給面での変化(売買単位の株価が下がることによる個人投資家の参加増加など)も株価に影響する可能性があります。今回の上方修正・分割はいずれも会社側が公表済みの事実ですが、通期予想に対する進捗率自体はまだ25%の目安に届いていない点も踏まえると、今後の値動きが一方向に続くとは限らない点には留意が必要です。

【免責事項】

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください

参考資料


高原 祥子