5日の東京株式市場は大きく続伸する展開となりました。
前日4日の米国市場でハイテク株を中心にリスクオンの流れが強まったことを引き継ぎ、国内市場でもアドバンテストや東京エレクトロン、キオクシアホールディングスといった主要な半導体関連銘柄に買いが先行。
アジア市場で韓国総合株価指数(KOSPI)が堅調に推移したことも、投資家心理の支えとなりました。
こうした全般買い優勢の展開のなか、市場の注目を一手に集めたのがイビデン(4062)です。
同社が4日に発表した「通期業績見通しの大幅上方修正」と「1株→2株の株式分割」が強烈な材料視され、朝方から買い注文が殺到。
勢いは止まらず午前10時58分には制限値幅の上限となる2万330円のストップ高に到達しました。
その後は大引けまで一度も崩れることなく強固な買い気配を維持したまま、“ストップ高張り付き”で取引を終えています。 本記事では、強烈な買いを集めた「決算の具体的な中身」などについて詳しく解説していきます。
記事後半では年間チャートの動きもチェックしていきます。
1. この記事を読むとわかる3つのポイント
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イビデンの株価は8月5日、前日比+24.49%のストップ高(20,330円)で取引を終えました -
2027年3月期1Qは売上高1,232億円(前年同期比+26.4%)、営業益268億円(+52.4%)と大幅増収増益で、通期の業績予想も売上高・営業利益・経常利益・純利益すべてが上方修正(経常利益は900億円→1,270億円で+41.1%) -
同時に1株を2株にする株式分割(基準日2026年9月30日)も発表されており、決算・上方修正・分割という3つの材料が重なったことが株価上昇の背景とみられる
2. 1Q決算は増収増益
8月4日に発表された2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の決算では、売上高が1,232億円(前年同期比+26.4%)、営業益が268億円(+52.4%)、経常益が274億円(+57.8%)、最終益が179億円(+40.8%)と、いずれも大きく伸びています。
もっとも、通期予想(今回上方修正した後の新予想)に対する進捗率で見ると、売上高22.4%、営業益21.2%、経常益21.6%、純利益21.3%と、いずれも四半期の単純な目安(25%)にはわずかに届いていません。決算の内容自体は好調ですが、通期予想を強く上回るペースというわけではなく、今回の株価上昇は決算の数字そのものよりも、次に触れる通期予想の上方修正や株式分割の発表による部分が大きいとみられます。
3. なぜ好調?生成AI向け基板需要が牽引
決算の柱である電子事業は、売上高775億円(前年同期比+37.7%)、営業益213億円(+52.4%)でした。会社側は、生成AI用サーバー向けおよび汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板の受注が堅調に推移したこと、昨年度から量産を始めた大野事業場の生産が安定してきたこと、さらに円安が業績を押し上げたと説明しています。
自動車部品などを含むセラミック事業も売上高243億円(+24.3%)、営業益32億円(+53.6%)と増収増益でした。半導体製造装置向けの特殊炭素製品(FGM)の需要回復や、EVバッテリー用安全部材の販売数量増加が寄与しています。その他事業(建設・樹脂加工など)は売上高213億円(▲1.1%)とわずかに減少したものの、法面・造園事業の大型施工が堅調だったことなどから営業益は22億円(+48.9%)と増えました。
4. 通期予想を上方修正、4期ぶりの最高益をさらに上乗せ
同社は決算発表にあわせて、2027年3月期通期の業績予想を上方修正しました。売上高は5,000億円から5,500億円へ10.0%、営業益は900億円から1,270億円へ41.1%(前期実績620億円に対しては2.0倍)、経常益も900億円から1,270億円へ同じく41.1%(前期実績608億円に対しては2.1倍)、純利益は580億円から840億円へ44.8%上方修正されました。純利益840億円は前期実績637億円に対しては+31.8%の増益予想になります。
このうち電子事業の営業利益予想は、5月時点の750億円から今回1,100億円へと上方修正されており、会社資料によると、その内訳は製品の販売価格・構成の改善で265億円、販売数量の増加で30億円、為替差で20億円、生産性改善で35億円としています。
なお、前期実績の純利益637億円には、政策保有株式の売却益345億円(税引後換算)という一時的な要因が含まれています。この特殊要因を除いて比較すると、今回の増益は数字が示す+31.8%以上に、本業の実力による伸びが大きいとみられます。
また、セグメント別に見ると通期の伸び方は一様ではなく、会社資料では、セラミック事業は上半期から下半期にかけて減収減益、その他事業は逆に増収増益を見込んでいるとしています。