『いや、会ったことないですよ、そんな人』アカリさんがそういうとフジモトさんは驚いた顔で、「え〜!そうなの!じゃあ俺きっと勧誘しやすそうなんだろうな」と言っていたそうです。
しかし、アカリさんにはフジモトさんがマルチ勧誘にそんなにも当たってしまう、とある原因に気づいていました。
それは、メッセージのやりとりを始めてから、デートに誘うまでが妙に短いこと。アカリさんが今まで出会ってきた男性たちは、平均2週間ほどメッセージを重ねてからアカリさんをデートに誘っていました。しかし、フジモトさんはマッチングしてからたったの数日、10通にも満たないメッセージのやりとりでデートに誘ってきたのです。
アカリさんもいつもならそんなに短い期間のやりとりではデートには応じないのですが、フジモトさんのプロフィールがきちんと書いてあったことと、このデートを最後にマッチングアプリを辞めようと思っていたため、OKしたとのこと。
しかし、フジモトさんの口ぶりではいつもこの数日のやりとりしかせずに、相手をデートに誘っているようでした。
『相手の人となりが分からないうちにデートに誘ってしまうから、「ハズレ」を引く可能性が高いのでは?』アカリさんは内心そう思ったそうです。
「実際に会ってみないとわからない」それはそうだけど…
アプリ内には同じ趣味の人が出会いやすくなる「場」(共通点がある人を探すための機能)があり、その中には「実際に会ってみないと正直何もわからない」という類のものもあります。
確かに、メッセージのやりとりだけではわからない点も多々あり、恋人を求めているとなれば、実際に会ってみた雰囲気なども合わせて、自分と相性が良いか判断する必要があるでしょう。
しかし、少なくとも1週間程度はメッセージをやり取りしないと、会っても問題ない人か否か、というのは判断できないように思います。画面上だけのメッセージのやりとりの中でも「この人、本当は恋愛をする気がないな」という「違和感」は、何度かメッセージを重ねていると、大体雰囲気で感じ取れるものです。
早く恋人が欲しいからこそ多くの人と出会い、その中から自分好みの人を見極めたいのかもしれませんが、恋人を作る気が最初からない人と出会っても、その分のお金と時間が無駄になるだけ。
本気で出会いを求めているのなら、「数打ちゃ当たる」戦法は卒業し、本当に「この人良いな」と思った人と出会い、仲を深めていくのが恋人を作る近道なのかもしれません。
【参考】
「デートアプリ市場分析レポート」IGAWorks調べ
竹橋 彩