利益の8割を稼ぐデータセンター向け光ファイバ
利益構造をセグメント別に分けると、集中の度合いがはっきりする。
情報通信事業部門は売上構成では全体の5割強だが、営業利益では全社のおよそ8割を稼ぐ。営業利益率も23%台と、他の事業を大きく引き離している。
これに対し、自動車やエレクトロニクスの事業は営業利益率が数%台にとどまる。つまりフジクラの利益は、データセンター向けの光ファイバという一本の柱に大きく依存している。
追い風が続く限り強いが、その需要が変調をきたせば影響も大きい。分散の効きにくい収益構造だといえる。次の決算で、この一本足の勢いが保たれているかが試される。
電線株のイメージと、AI成長株としての実態
非鉄金属の電線株と聞くと、景気に左右されやすく成長は緩やか、という印象が先に立つ。
だが直近のフジクラの数字を並べると、その姿とは大きく異なる位相が確認できる。自己資本利益率(ROE、株主資本に対する利益率)は32%台と、非鉄金属の業種中央値である9%前後を大きく上回る。5期で当期純利益は4倍近くに膨らんだ。
もっとも、市場の期待と会社の見立てには温度差もある。会社は今期の当期純利益を前期比でほぼ横ばいと保守的に予想しており、光ケーブル増産に伴う原材料調達の懸念も挙げている。
会社が慎重な一方で、株価はPBR13倍超という強気を織り込む。まもなく出る1Qの決算は、この慎重さと強気のどちらを裏づけるのか。両にらみで見ておきたい局面だ。
筆者コメント
目前に控える決算は、強気の株価と保守的な会社予想の、どちらに軍配を上げるのか。市場はPBR13倍超という高い評価を付ける一方、会社自身は今期の利益をほぼ横ばいと見込む。
この温度差をどちらへ寄せるかが、次の四半期決算の一番の見どころになる。
あわせて意識したいのが、利益の一極集中という構造だ。データセンター向け光ファイバが全社利益の大半を稼ぐいまの姿は、追い風局面では強力だが、需要の波が変われば振れも大きくなる。
決算では、この一本足の勢いが続いているかが問われる。
だからこそ、発表される数字は、単なる増減率としてではなく、光ファイバ需要の持続性と会社計画の上振れ・下振れという視点で受け止めたい。
株価の熱量と事業の実態を切り分ける姿勢が、決算を前にしたこの局面では特に必要と考える。
参考資料
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
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石津 大希