金融庁は、「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を掲げています。なかには、「私には難しそう」と感じる方もいるでしょう。しかし、年齢ごとに分けた「金融リテラシー・マップ」のうち、小学生が当てはまる項目なら取り組みやすく感じるはずです。
たとえば、「家計管理」に関する項目として「必要なもの(ニーズ)とほしいもの(ウォンツ)を区別し、計画を立てて買い物ができる」といった内容です。そのほか、「ローン・クレジット」では「子ども同士でお金の貸し借りはしないようにする」、「資産形成商品」では「金利計算(単利)などを通じて、主な預金商品とその利息の違いについて理解する」といった項目が挙げられます。
小学生といえば、おこづかいをもらったり親の買い物について行ったりと、お金や社会のしくみを実感しはじめる時期。そのなかで自ら考え、工夫や努力を重ねるよう促しているのでしょう。
まずはこのようなレベルから意識しはじめ、少しずつステップアップをしていくとスムーズです。では、どのくらいのレベルを目指せばいいのでしょうか。
若年社会人レベルの項目の一部も覗いてみましょう。
・家計の担い手として収支管理の必要性を理解し、赤字を出さない(黒字を確保する)意思をもっている
・趣味や自分の能力向上のための支出を、計画を立てて行うことができる
・借入に際しては、返済計画を立て、将来の収支がバランスする範囲内で行うことができる
こうみると、「若年社会人レベルでもこのぐらいなのか」と感じますね。難しく聞こえる金融リテラシーですが、「基本を身につけるのはそこまでハードルが高くはない」という気がしませんか?
金融リテラシーをさらに身に付けるには
金融リテラシーの基本を理解した後は、どのようにさらなる知識を身に付けていけばいいのでしょうか。これには、お金にまつわる「経験」が深く関わっています。
金融広報中央委員会が2016年に実施した「金融リテラシー調査」でのクイズと、フィデリティ退職・投資教育研究所が2018年に実施した「高齢者の金融リテラシー調査」を分析したデータをもとに見ていきましょう。
金融知識に関するクイズの結果、「現在投資をしている人」の点数は65.2点、「以前投資をしていたが今はやめた人」は57.0点、「これまで投資をしたことがない人」は44.7点であることが分かりました。つまり、投資をしている人ほど金融知識を多く身につけている傾向であることが示されたのです。
「もともとお金に詳しいから投資を行なっている」とも捉えられますが、反対に「投資を行なったから知識が深まった」という見方もできます。投資の経験を重ねていると、お金の知識も次第に身に付いていくはず。金融リテラシーをさらに身に付けたい方は、このような経験を積むよう意識してみましょう。
まとめ
普段聞きなれていない言葉だと、ついハードルが高いように感じてしまうもの。しかし、簡単な言葉に置き換えるとスムーズに理解できるようになります。自分なりの表現に置き換えたうえで、投資などの経験を通じてうまく金融リテラシーを身に付けてくださいね。
【参考】
「金融リテラシー調査(2019年)」知るぽると
「最低限身に付けるべき金融リテラシー」金融庁
「金融リテラシー・マップ」知るぽると
LIMO編集部