4部門の伸びと、無借金に近い財務
部門別の売上高をみると、ロボット部門が961億円(+18.7%)と最も大きく、FA部門573億円(+15.5%)、ロボマシン部門417億円(+22.8%)、サービス部門359億円(+13.0%)と続く。
なかでもロボット部門は米州の自動車・一般産業向けが底堅く、中国ではEV関連が伸びた。FA部門を支えるCNCシステムも、国内工作機械メーカーの外需やインド・中国の設備投資需要を取り込んだ。
特定の一部門ではなく、4つの部門がそろって伸びた1Qだった。
過去5期の営業利益をたどると、2022年3月期の1,832億円から、いったん2024年3月期に1,419億円へ落ち込んだのち、直近の前期は1,838億円まで戻した。
設備投資の波を受けやすい事業だけに利益は一本調子ではないが、山と谷を経て再び高い水準に戻ってきている。
財務は際立って健全だ。自己資本比率は89.7%と、実質的に無借金に近い。潤沢な手元資金は不況局面での耐性となる一方、資本効率の面では重さにもなる。
自己資本利益率は前期で9.3%と、電気機器の中央値である7%台は上回るが、突出して高いわけではない。厚い自己資本をどう生かすかが、評価のもう一つの軸になる。
筆者コメント
増収増益で上方修正まで出した会社の株が、なぜ当日に1割超も売られたのか。この問いに一つの答えを出すのは難しいが、株価と業績のあいだにある期待の水準が手がかりになる。
PER28倍という評価は、堅調な決算をあらかじめ織り込んでいた可能性がある。事前の期待が高いほど、実際の数字が良くても出尽くしとして反応が出やすい。
当日の下落は、業績そのものより期待の巻き戻しという側面が大きいとみられる。加えて、上方修正が円安の前提に支えられている点も、為替次第という不確実さとして受け止められた可能性がある。
次の四半期決算では、上方修正後の計画に対して進捗がどうなるかが注目点だ。
参考資料
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石津 大希