好決算がそのまま株高につながるとは限らない。ファナック(6954)の直近1Qは増収増益で着地し、通期の業績予想も上方修正された。

にもかかわらず株価は8月3日に前日比で約1割超下げている。この数字と株価の食い違いを整理しよう。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

好決算の一方で、8月3日に約1割超安

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出所:各種資料をもとに筆者作成

株価は7月を通じて6,600円から7,500円のあいだで推移した。7月31日の終値は7,135円だったが、決算をはさんだ8月3日は6,114円と、前日比で1割を超えて下げ、直近1カ月で最も低い水準となった。

決算は増収増益で通期予想の上方修正も伴っただけに、素直な反応とは言いにくい。材料が出尽くしたとの見方や、株価がすでに高い水準にあったことなどが影響した可能性はあるが、下落の理由を一つに絞るのは難しい。

株価評価は、8月3日時点でPER28倍、PBR3.01倍となっている。設備投資関連のなかでも高めの評価が続いており、市場の期待の高さが、決算後の反落につながりやすい面もあったとみられる。

1Qは増収増益、通期予想も上方修正

2027年3月期1Qは、売上高が2,310億円(前年同期比+17.7%)、営業利益が535億円(同+26.1%)、経常利益が682億円(同+32.3%)、純利益が510億円(同+34.7%)となった。

経常利益が営業利益を上回って伸びたのは、営業外に持分法による投資利益114億円などが乗ったためだ。会社はこの結果を踏まえ、通期予想を上方修正している。

売上高は前回予想の9,096億円から9,481億円へ、純利益は1,849億円から1,980億円へ引き上げた。会社は2026年7月以降の為替を1ドル150円、1ユーロ175円と想定しており、堅調な受注に加えて円安も利益を支える前提になっている。

好調の中身も会社は具体的に説明している。会社によると、FA部門はCNCシステムが国内や中国で伸び、ロボット部門は米州や中国のEV関連が牽引し、ロボマシン部門も中国での需要増で伸びたという。全般に設備投資需要が堅調だったとしている。

見ておきたいのは、事業の中身と株価の切り分けだ。主要部門が伸び、通期見通しも引き上げられたのは事実。株価の一日の振れと、事業の実力は分けて追う必要がある。次の四半期に、上方修正した計画をどこまで埋められるかが、評価を落ち着かせる鍵になりそうだ。