6. 生活が苦しくなる前に確かめたいこと
生活が苦しくなると、生活保護の利用を検討する場合もあるでしょう。老後生活に不安がある場合は、まずは年金を毎月いくら受け取れるのか、生活費はいくらなのかを確かめておきましょう。
年金受給者で所得が少ないなど所定の要件を満たす人は、年金生活者支援給付金を受け取れる可能性があります。
老齢年金に対応する老齢年金生活者支援給付金は、月5620円を基準に、国民年金保険料の納付期間や免除期間などに応じて計算されます。
また、収入が少ない世帯では、住民税が非課税となることで受けられる優遇措置もあわせて確認しておくとよいでしょう。
住民税非課税世帯に該当すると受けられる優遇措置についてはこちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
「住民税非課税世帯」を対象とした「優遇措置」8選 《年金・給与》年収いくらで該当するのか境界線も見ておこう 年金155万・給与110万が分かれ目?
それでも生活費が不足する場合は、預貯金など資産をすべて使い切る前に、早めに福祉事務所や地域包括支援センターなどに相談しましょう。
生活保護の検討のほか、生活困窮者自立支援制度、生活福祉資金貸付制度といった別の支援制度を提案してくれる可能性もあるでしょう。
生活が苦しくどうしようもない場合は、ためらわずに支援機関に相談するのが望ましいです。
7. 監修者コメント:公的な支えと自分の備え、両方を知っておく
銀行の窓口でも、年金だけで暮らしていけるか不安に感じている高齢のお客様のご相談を受けてきました。生活保護は決して特別な制度ではなく、年金や資産を活用してもなお生活が苦しい場合に頼れるセーフティネットです。
一方で、生活保護に頼る前にできることもあります。ご自身の年金見込額を早めに確認し、住民税非課税世帯の優遇措置や年金生活者支援給付金など、利用できる制度がないかを一通りチェックしておくことが、老後の安心につながります。
預貯金を使い切ってしまう前に、少しでも不安を感じたら、早めに自治体の窓口や地域包括支援センターに相談することをおすすめします。
8. まとめ
生活保護世帯は、半数以上が単身の高齢者世帯です。そして、高齢者の単身世帯の収支状況は、平均で約3万円の赤字と、決して余裕のある暮らしではありません。
年金を受給していても、生活保護費は受給できます。最低生活費と収入の差額を受け取る形になりますが、生活を立て直すために必要であれば、早めに支援機関に相談するとよいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和8年4月分概数)の結果を公表します」
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和8年4月)」
- 厚生労働省「令和8年度生活扶助準の見直しについて」
- 総務省「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」
- 厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
石上 ユウキ

