上場直後の銘柄が、業績と株価の両方で急激な変化を見せる場面があります。特に半導体メモリのようにサイクル性が強い事業では、赤字と黒字のスイングが短期間で起きることも珍しくありません。キオクシアホールディングス(285A)の直近1年は、そのプロセスの典型として受け止められる動きを見せました。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

それでは早速見ていきましょう。

2026年3月期通期は営業利益+92.7%、当期利益+110%と急回復

2026年3月期通期の決算内容(IFRS=国際財務報告基準)は、業績の急回復を示す数値となりました。

売上収益は2兆3,376億円で前期比+37.0%、営業利益は8,704億円で+92.7%、当期利益は5,545億円で+110.4%と、いずれも大幅な増益で着地しています。営業利益はほぼ倍増、当期利益は前期比で2倍を超える伸びとなりました。

営業利益率は37.2%(8,704億円÷2兆3,376億円)と、業種内でも極めて高い水準に到達しました。

過去5期は赤字と黒字の激しいスイング、事業サイクル特性が濃く出た軌跡

背景にあるのは、過去5期の業績トレンドが極端なサイクル特性を描いてきた点ではないでしょうか。

当期利益は2022年3月期の1,059億円から、2023年3月期は-1,381億円で赤字転落、2024年3月期は-2,437億円とさらに赤字が拡大したのち、2025年3月期に2,723億円で黒字回復、2026年3月期は5,545億円と過去5期最高水準に達しました。

ROEも同様に、2022年3月期14.3%から、2023年3月期-19%、2024年3月期-44%と大きく沈み込んだのち、2025年3月期に45.9%、2026年3月期には51.9%まで回復しました。

業種内での相対水準を見ますと、電気機器179社(2026年3月期)のROE中央値は7.4%、営業利益率中央値は6.7%です。同社の直近水準はROEで中央値の約7倍、営業利益率で約5.5倍と、業種内でも突出した位置にあります。ただし過去5期の振幅を踏まえますと、この水準はサイクルのピーク近辺として読み取る必要もある姿です。