2026年7月21日、ニューヨーク外国為替市場で1ドル=163円台をつけました。歴史的な円安です。
「新NISAでオルカンやS&P500を始めようと思っていたのに、こんな円安では高値掴みになるんじゃ……」
「迷っている間にどんどん円安が進んで、もうタイミングを逃してしまった……」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、今すぐ始めることは完全に「アリ」です。ただし、「一括投資」は避け、「積立投資」で始めることが絶対条件になります。
この記事では、なぜ今始めても大丈夫なのか、その明確な理由と持っておくべき投資マインドを分かりやすく整理していきます。
銀行員時代、投資のご相談に来られる多くのお客様から、このようなお悩みを伺ってきました。
「あのとき始めておけばよかった」
「今は高すぎる気がして、なかなか一歩が踏み出せない」
そうやって悩んでいる間にも相場は刻一刻と動いていくため、ベストなタイミングを見極めるのは本当に難しいものです。
しかし、大切な資産を投じるのですから、こうした迷いが生じるのは当然のことだと思います。
だからこそ、納得した上で安心してスタートを切っていただきたいのです。
1. 3つのポイントの見出し
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積立投資(ドルコスト平均法)なら、円安でも円高でも毎月の購入単価が自動的に平準化される -
新NISAの目的は10年・20年先を見据えた長期投資。日々の為替変動より、世界経済の成長力が最終的な成果を左右する -
円預金だけで資産を持ち続けることには、円安とインフレによる「見えにくいリスク」がある
2. そもそも「外国株の投資信託」で利益が出る仕組みは?
オルカンやS&P500といった海外株式に投資する商品は、私たちの利益(または損失)が「株価」と「為替」の2つの要素で決まります。
まずここを整理しておきましょう。
- 株価の変動:組み入れられている企業(アップルやマイクロソフトなど)の株価が上がれば利益になります。世界経済・米国経済が成長すれば、長期的に大きなプラスが期待できます。
- 為替レートの変動:買ったときより「円安」になれば利益、「円高」になれば損失になります。現在は歴史的な円安水準にあるため、ここからさらに円安が進めばプラスですが、将来的に円高へ戻った場合はマイナス要因になります。
「買った後に円高になったら損してしまう」
その懸念はまったく正当です。だからこそ、「どう買うか」が重要になってきます。
3. 歴史的円安でも、新NISAを今すぐ始めていい3つの理由
なぜこれほどの超円安局面であっても投資のスタートを遅らせる必要がないのか、元銀行員の視点から3つの明確な理由を解説します。
3.1 理由1:「積立投資」なら為替リスクを自動で平準化できる
まとまったお金を今すぐ一度に購入する「一括投資」は、現在の円安水準ではリスクが高くなります。
しかし、毎月コツコツ買い続ける「積立投資(ドルコスト平均法)」なら話は別です。
- 円安のいま:高値掴みになる分、買える「口数」は少なくなる
- 将来、円高になったら:今度は安く、大量の「口数」を買うことができる
毎月同じ金額を買い続けることで、為替が上がろうが下がろうが、最終的な購入単価は自動的に平均化されます。
「いつ買えばお得か」というタイミングを自分で探る必要は、まったくありません。
3.2 理由2:新NISAの目的は「10年以上の長期資産形成」だから
数カ月や1年後に利益を出したい「短期トレード」であれば、1ドル163円は確かに危険な相場と感じるかもしれません。
しかし、新NISAで行おうとしているのは、10年・20年・30年先を見据えた長期投資のはずです。
これほど長いスパンで見れば、日々の為替の波よりも、「世界経済や米国経済が長期的に成長していく力」のほうが、最終的な成果に大きく貢献する可能性が高いと考えられます。
目線を先に置くことで、今日の163円という数字の見え方が変わってきます。
3.3 理由3:「円」だけで持ち続けること自体にリスクがある
歴史的な円安が進んでいるということは、裏を返せば「日本円の価値が世界的に下がっている」ということです。
加えて、国内でも物価上昇(インフレ)が続いています。
すべての資産を円預金だけで持ち続けると、お金の額面は減らなくても、買えるものが減っていく…実質的に資産が目減りしていくリスクにさらされています。
オルカンやS&P500を通じて海外の資産を持つことは、円安やインフレから資産を守る手段のひとつになり得ます。
4. 【筆者からのアドバイス】長期投資で一番大切なこと
新NISAで資産運用を長続きさせるために、いちばん大切なこと。それは「日々の相場や為替ニュースに一喜一憂しない」です。
毎朝ニュースで「今日は164円になった」「160円台に下がった」と確認し、投資のタイミングを測ろうとする必要はありません。
短期的な下落相場や円高局面が来ても、積立投資においては「将来のための仕込み時(安くたくさん買えるチャンス)」となります。
「長期的に資産を育てたい」
「将来のインフレに備えたい」
という目的であれば、今がどんな相場であっても「早く始めて、淡々と長く続けること」が最大の正解になります。
まずは家計に無理のない少額から、毎月の積立設定を入れてみましょう。
5. まとめ
1ドル163円という歴史的な円安を見て、
「今さら始めても遅いのでは」
「高値掴みになるのでは」
と躊躇する気持ちは、ごく自然なことです。
ただ、その不安は「一括投資」への不安であって、「積立投資」への不安ではないかもしれません。
毎月コツコツ買い続ける積立投資は、円安でも円高でも自動的に購入単価を平準化してくれる仕組みです。
そして、円預金だけで資産を持ち続けることにも、インフレと円安という形で静かにリスクがのしかかっています。
「待てば円高になるかも」と様子を見ている間にも、円の実質的な購買力は変化し続けています。
タイミングを完璧に当てようとするのではなく、「早く始めて長く続ける」こと。
どうしても不安な方は、毎月の積立額を少額にしてみると良いでしょう。
【免責事項】
- 本記事は、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。
- 投資には元本を割り込むリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行われるようお願いいたします。
参考資料
- Tradingview
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 」
和田 直子

