2026年8月14日は、6月・7月分の公的年金がまとめて振り込まれる、2ヶ月に1度の年金支給日です。
年金の受給額は、年収の高さだけで決まるわけではありません。加入してきた年金制度の種別や働いた期間によって大きく変わり、特に1階部分の国民年金だけを受け取るのか、2階部分の厚生年金にも加入しているかどうかで、将来の受給額には大きな差が生じます。
そこで本記事では、公的年金制度の基本構造を整理したうえで、「平均年収300万円・38年間勤務」というモデルケースをもとに、将来受け取れる年金額の目安を試算します。あわせて、実際の受給者の金額分布や、年金から差し引かれる税金・社会保険料の実態にも触れながら、老後資金の現実的な水準を確認していきましょう。
1. この記事の3つのポイント
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8月14日は6・7月分の年金支給日 -
年収300万・38年勤務なら年金は月12.3万円 -
額面から天引きされ手取りはさらに目減り
2. 「国民年金」と「厚生年金」、まずは制度の土台を押さえよう
たとえ平均年収が同じ300万円でも、38年間の就労期間中に厚生年金の適用を受けていたかどうかで、老後に受け取る年金総額は大きく変わります。まずは、公的年金制度の土台となる仕組みをおさらいしておきましょう。
日本の公的年金は、よく知られているように「2階建て」の構造で設計されています。土台となる1階部分が国民年金(基礎年金)であり、その上に積み増される2階部分として厚生年金が位置づけられています。
- 第1号被保険者:自営業者、フリーランス、学生、無職の方など
- 第2号被保険者:民間企業の会社員や公務員
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者
国民年金は、日本国内に居住する20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある共通の制度です。毎月の保険料が全額一律となっているため、納付期間が同じであれば、受け取る年金額にも極端な差がつきにくいのが特徴です。
一方の厚生年金は、国民年金に上乗せされて支給される制度で、主に会社員や公務員が加入対象となります。保険料は現役時代の収入額(給与・賞与)に応じて計算されるため、受給額に個人差が出やすい点が大きな特徴といえます。
公的年金制度の仕組みや平均受給額についてさらに詳しく知りたい方は、「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」もあわせてご覧ください。

3. 「平均年収300万円・38年勤務」なら年金はいくらになる?
本章では、生涯を通じての平均年収を300万円とし、民間企業で38年間勤め上げたケースを想定して、以下の前提条件で老後に支給される年金額の目安を試算します。
- 2003年4月以降、厚生年金に38年間加入している
- 国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)、すべての期間で保険料を全額納付したと仮定する
3.1 「厚生年金」の受給額をシミュレーション
厚生年金から支給される金額は、定められた算式に当てはめて算出されます。
年金額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額
「経過的加算」は定額部分の額が老齢基礎年金より高い場合にその差額を調整・補填する仕組みで、「加給年金」は所定の要件を満たす配偶者や子を扶養している場合に上乗せされる手当のようなものです。今回の試算では、年金額のメインとなる「報酬比例部分」に絞って計算するため、経過的加算・加給年金額は算定に含めていません。
報酬比例部分=A+B
- A(2003年3月までの加入期間):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入月数
- B(2003年4月以降の加入期間):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数
「平均標準報酬月額」は平成15年3月以前の加入期間について各月の標準報酬月額を合算し、その月数で割って算出する金額です。これに対し「平均標準報酬額」は、平成15年4月以降の加入期間を対象に、毎月の標準報酬月額と賞与(ボーナス)の合計を加入月数で割って算出します。
今回のケースはすべて2003年4月以降の加入期間にあたるため、Bの式のみで試算します。平均年収300万円であれば、賞与込みの年収をもとに、その12分の1にあたる約25万円が平均標準報酬額の目安となります。
この条件で計算すると、将来受け取れる厚生年金の額面は月額およそ5万2000円(年額換算で約62万4000円)となります。
3.2 「国民年金」の受給額をシミュレーション
会社員など厚生年金に加入している人は「第2号被保険者」にあたり、将来は1階の国民年金と2階の厚生年金の両方を受給できる仕組みになっています。ここでは、基礎部分にあたる1階の国民年金の受給額を確認してみましょう。
満額の年金額に対し、「実際に保険料を納めた月数 ÷ 加入可能な全月数(原則480ヶ月)」を掛け合わせて計算します。20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)すべての期間で未納なく保険料を納めた場合、国民年金として受け取れる額面は満額で月額約7万1000円(2026年度の満額70,608円をもとにした概算、年額換算で約85万2000円)となります。
これらを合算すると、「平均年収300万円」で「38年間」勤務したケースでは、厚生年金(約5万2000円)と国民年金(約7万1000円)を合わせた合計受給額は、月額でおよそ12万3000円(年額で約147万6000円)となります。
3.3 年金額のワンポイント
結論だけ先にお伝えすると、平均年収300万円で38年間厚生年金に加入した場合、老後に受け取れる年金は月額およそ12万3000円(額面)が目安です。ただしこれはあくまで額面であり、実際の手取り額はこれより少なくなります。
この金額を見て、「思ったより少ない」「これだけで生活できるのか」と不安を感じた方も少なくないでしょう。物足りなさを感じる場合は、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」で月々の受給額を増やす、iDeCoやNISAなどで年金以外の収入源を用意しておく、就労期間を延ばして厚生年金の加入期間を積み増す、といった選択肢があります。どれか一つに絞る必要はなく、自分の年齢やライフプランに合わせて、無理のない範囲で組み合わせを考えてみるとよいでしょう。


