続いて、前年度の結果と比較してみましょう。総務省が2018年に発表した2017年の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2017年(平成29年)平均結果-(二人以上の世帯)」では、2人以上の世帯における1世帯あたりの貯蓄現在高(平均値)は1812万円となりました。つまり、最新の2018年のデータは前年より60万円、割合にすると3.3%も減少していることになります。

また、中央値は1074万円で、貯蓄が「0」世帯を含めた中央値は1016万円です。こちらも2018年は38万円も少なくなっており、平均値と同じく減少傾向となっています。

さらに2人以上世帯のうち勤労者世帯の平均貯蓄現在高は1327万円、中央値は792万円、貯蓄「0」世帯を含めた中央値は743万円となっており、前年度よりも若干減少していますが大きな差は見られません。

貯金上手な人の特徴は?

貯蓄額が減少傾向にあるとはいえ、しっかりと貯金をしている人もたくさん存在しています。貯金が上手な人には、どのような特徴があるのでしょうか。

お金に関心をもっている

お金に興味があると、貯金や節約に積極的に取り組もうという意識が芽生えやすくなります。レシートを集める、クーポンを使ってお得に買い物をするなど、無駄遣いを減らす努力も惜しみません。このような取り組みが、スムーズな貯金に繋がるのでしょう。

こだわるものを選んでいる

身の回りのものを全てブランドものや高級品で揃えていると、支出にブレーキをかけることができません。上手に貯金するためには、こだわる対象を絞ることが大切です。「とりあえず高いものを」と考えるのではなく、自分に必要な性能や内容を基準に買いましょう。

安く済む手段を考える

本は買わずに図書館で借りる、民間ではなく自治体が運営しているスポーツジムを利用するなど、「お金をできるだけ使わない方法」を考えるのもポイント。やりたいことを我慢するのではなく、満足感を得たうえで支出を抑えるのです。今まで払い続けていた項目も、この機会に節約できる手段がないか見直してみましょう。

収入を増やす努力を怠らない

雇用されるだけではなく、独立・起業や投資・資産運用、副業など、働き方・稼ぐ方法は様々あり、自分のやりたいこと、自分に合っているものを追い求め、総収入を増やす努力をし続けましょう。

もちろん収入が増えれば、貯金額が増える可能性が高まります。また働き方・稼ぎ方を考えていくことは、生きることそのものを考えることにつながります。充実感のある毎日は精神的な豊かさにもつながり、暴飲暴食や浪費を減らす可能性もあります。

まとめ

世帯別平均貯蓄額は、平均値・中央値ともに前年より減少していることが分かりました。とはいえ、この状況に左右されて貯金を怠るのは避けておきたいところです。

まずはお金に興味をもち、「身の丈に合った商品を選んでいるか」「もっと安く済ませる手段はないか」と踏むとどまる癖をつけておきましょう。節約の習慣が身に付けば、自然と貯金のペースが掴めてくるはずですよ。

【参考】
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」総務省統計局
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2017年(平成29年)平均結果-(二人以上の世帯)」総務省統計局

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部