社外研修に行き、出席者のみに配布される資料を自分のぶんだけ持ち帰ったところ、「俺を出席したことにして資料をもらってくるぐらいの機転を利かせろ!」と叱責された…。そんなまさかの「機転」を要求された経験がある方も、少なからずいるのではないでしょうか?
上司である係長と一緒に社外研修に参加するはずだった中堅社員の主人公。しかし、研修当日、係長が急遽研修を欠席することになり、「あとは頼んだ」と言われた主人公は一人で会場に向かいます。
出欠票の係長の欄に「×」、自分の欄に「〇」を入れ、自分のぶんだけ資料を受け取り、研修へ。
そして帰社後、社外研修の資料の提出を求める係長に、「私のぶんのコピーですがどうぞ。」と、コピーした資料を提出すると、係長が憤った様子で「俺のぶんの資料はないのか?」と聞いてきました。「出席者のぶんしかいただけなかったので…。」と説明する主人公。すると係長は「それなら、俺が出席したことにすればいいだろ。全く気が利かないな!」と叱責を始めました…。
係長の言い方に、思わずムッとする主人公。脳内で妄想スイッチが入ります。
参加者が帰ったあとの研修会場。受付には、出欠票と配布資料がまだ置かれています。主催者の隙をつき、某スパイ映画の主役ばりに、天井から上半身を乗り出す主人公。出欠票の係長の欄をささっと「〇」に書き換え、配布資料を1部抜き取ります。…おっと、せっかくだからメッセージも残しておくか。『係長の出席はいただいた。〇〇株式会社怪盗M』っと…。
あ、いや、こんなの残しちゃ、わざわざ忍び込んだ意味がないのか…?。(妄想終了)
この場はとりあえず謝っておくことにした主人公、「以後気をつけます。」と自席に戻ります。すると係長のところに、入れ違いにやってきた新人女子。今の話は聞き捨てならないといわんばかりに、係長に訴えます。「あの、私、明日休みたいんです。」ん?と顔を上げる係長に、新人女子がこんなイヤミ(?)をひとこと。
「でも、もう有給休暇が残ってないんです。明日出社したことにしてもいいですか?」
出席するはずだった係長のぶんの資料を手に入れてこなかった点に関しては、たしかに主人公の落ち度といえるかもしれませんが、「出席者にしかくれないなら、たとえその場にいなくても、出席にしておくぐらいの機転を利かせろ。」という叱責は、社会人としていかがなものか。そして、あらかじめ「自分用の資料が欲しい」と伝えておけば、部下も手の打ちようがあったはず。たとえ本音は「察しろよ」であっても、「こうしてほしい。」ということを、丁寧に部下に伝えていくということこそが、円滑な社内コミュニケーションのためには必要ということなのかもしれません。
さて、捨て身の戦法(?)で、係長の叱責がおかしいということを訴えた新人女子の行動の是非はさておき、上司の都合のいい論法に日々悩まされている人たちの中には、「一度は言ってみたいセリフだ。」と、思わずニヤリとしてしまった方もいるのではないでしょうか。次回もどうぞお楽しみに。
【マンガ記事】妄想シャイン
入社3年目でようやくこなれてきたサラリーマンの主人公は、ストレスが溜まるとひたすら妄想しながら乗り切る、妄想社員。オフィスでよくある、ちょっとしたイライラやモヤモヤを、今日も妄想しながら乗り切ります。
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