秋になると、夕暮れになるのが早くなりますよね。筆者の子供達が通う小学校では、日が短くなる10月の中旬以降は夕方の4時半までに帰宅することになっています。しかし、冬の足音が聞こえる前の貴重な時期です。ほとんどの子供は10月末までは夕方5時まで遊んでいました。筆者の子供達も同様に5時まで遊んでいましたが、一番下の子が一緒に遊びたがるので筆者も公園に付き添っていました。

10月も下旬になると、「秋の日はつるべ落とし」という言葉があるように、本当に日が落ちるのが早くなります。11月まで数日を残したある日、筆者の子供達と友達以外にも近所の子たちが自然と集まりハロウィンごっこを始めました。お菓子を交換したり、女の子は仮装をして出てきたり、10人以上の子供たちが秋の名残を惜しむように夕方まで楽しく過ごしていたのです。

ふと腕時計の針を見ると、もう5時まで数分を切っていました。「そろそろ5時だからみんな帰ろうね」と声をかけたのですが、すぐ近くにいる子を除くと誰が公園にいるのか把握できませんでした。「万が一、誰かそこから消えていても気がつかないまま帰宅してしまうかもしれない」と思ったらゾッとしました。

こじんまりとした公園ですら、夕暮れ時は瞬時に子供の確認をするのが難しくなります。顔の判別が難しくなるということは、裏を返せば子供を狙って近づきやすくもなるのです。また、容姿を見定められないのは犯罪者にとってメリットになります。学校から指導されている「10月中旬以降は午後4時半帰宅」は、子供を危険から遠ざけるためだと改めて痛感しました。

春よりも防犯意識が低くなりがちな秋は注意が必要

新年度がスタートする春に比べると、学校への慣れも出てくる秋は防犯意識が低くなりがちです。しかし、筆者の体験談のように防犯ブザーの電池が切れていることもあります。いつ何時、危険が迫ってくるか分かりません。日頃から親が備えていると子供も自然と防犯意識を高めてくれます。

また秋は、「まだ明るいし寒くない」と子供が思っていても、遊び始めてすぐに夕暮れ時になります。暗くなってからの帰宅は不審者や交通事故の遭遇率を高めます。親子で外遊びのルールや帰宅までの道は人通りのある明るい道を使うなど、日が短かくなる秋や冬に起きやすい危険を話し合うようにしましょう。

中山 まち子