国税庁が公表した「令和6年分民間給与実態統計調査」のデータによると、日本における給与所得者の平均給与は477.5万円という結果になりました。

男女別の内訳を見ると、男性の平均が586.7万円であるのに対して女性は333.2万円となっており、女性の給与水準は全体平均を大きく下回っているのが現状です。

平均給与の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)1/4

平均給与の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)

出所:国税庁長官官房企画課「令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-令和7年9月」をもとにLIMO編集部作成

中本 智恵

銀行の窓口でも、女性のお客様から「同世代の男性と比べて、自分の給与は見劣りするのではないか」というご相談を受けることがあります。実際のデータを見ると、年収500万円という節目ひとつとっても、男女差は決して小さくありません。まずは客観的な数字で、今の立ち位置を確認してみましょう。

この記事では、特に女性の給与データに焦点を当て、一つの大きな節目となる「年収500万円」に届いている人の割合や、その具体的な実態について詳しく解説していきます。

1. この記事の3つのポイント

  •  女性で年収500万円超を達成しているのは17.7%にとどまり、男性の50.9%、男女合計の36.7%を大きく下回る
  •  女性の平均給与は25〜29歳の370.1万円から45〜49歳のピーク368.6万円まで、年齢を重ねてもほぼ横ばいで推移する
  •  業種による給与差は最大約553万円で、金融業・保険業と情報通信業は女性の平均でも500万円を超える

2. 女性で年収500万円超に達している割合はどのくらい?

給与階級別分布グラフ(全体・男女別)2/4

給与階級別分布グラフ(全体・男女別)

出所:国税庁長官官房企画課「令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-令和7年9月」をもとにLIMO編集部作成

給与階級別のデータを女性のみに絞って確認してみると、年収500万円超の条件を満たしている人の割合はわずか17.7%にとどまります。

男女を合わせた全体の数値である36.7%と比較すると、女性の割合は大幅に下回っていることが分かります。また、男性単体のデータでは50.9%に達しており、同じ年収水準であっても性別によってクリアしている割合に大きな開きが見られます。

女性にとって年収500万円超という壁は、現在も非常に高いハードルであることがこれらのデータから浮き彫りになっています。

中本 智恵

男性の約半数(50.9%)が年収500万円を超える一方、女性は6人に1人程度(17.7%)にとどまるという差は、想像以上に大きいと感じる方も多いのではないでしょうか。この差がどこから生まれているのか、次の章で年齢による変化を見ていきましょう。

3. 女性の平均給与が年齢を重ねても横ばい傾向となる背景とライフイベント

女性の年齢階層別における平均給与の動向を追いかけてみると、男性のデータとは全く異なる推移をたどることが分かります。

具体的に見ていくと、女性は25〜29歳の時点で370.1万円を記録したのち、30〜34歳で361.5万円、35〜39歳で351.3万円へと一時的に減少していく傾向がみられます。

全体の流れとしては350〜370万円台の範囲内で行ったり来たりする横ばい状態が続きます。55〜59歳の段階になっても356.2万円にとどまっており、25〜29歳当時の水準とほとんど大差ありません。

女性の場合、出産や育児に伴う産休・育休の取得によって、キャリアの積み上げが一時的にストップしてしまう時期が生じることがあります。さらに、パートナーの転勤を機に離職したり、子育てとの両立のために時短勤務への切り替えや退職を選んだりするケースも少なくありません。

このように、年齢とともに継続してキャリアを形成し、順調な給与アップを狙える環境にいる人が男性よりも少ない傾向にあることが、年齢を重ねても平均年収が頭打ちになる大きな要因と考えられます。

一方で男性の推移を見ると、25〜29歳の437.6万円から、55〜59歳の734.6万円に達するまで、年齢の上昇に伴って着実な増加を遂げていきます。このため30代以降は、年齢を重ねるごとに男女間の給与格差が広がり続ける構造になっているのです。

中本 智恵

女性の給与が年齢とともに伸びにくいのは、本人の能力や努力の問題というより、出産・育児期にキャリアを継続しづらい環境が影響している面が大きいと感じます。ライフイベントと両立しながらキャリアを積み上げられるかどうかは、本人の頑張りだけでなく、制度や職場環境にも大きく左右されます。