7月7日に内閣府経済社会総合研究所が公表した「景気動向指数(令和8(2026)年5月分速報)」によると、景気の現状を示す一致指数は118.5となり、前月に比べて0.4ポイント上昇しました。マクロな景気動向に改善の兆しが見られる中、働くビジネスパーソンにとって最も関心が向くのは、やはりご自身の「給与の実態」ではないでしょうか。
国税庁が発表した「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者が得ている平均給与は477.5万円という結果になっています。
男女別の内訳を見ると、男性が586.7万円、女性が333.2万円となっており、男性の平均給与が全体の数値を大きく押し上げている状態です。
この記事では特に男性の給与データに焦点を当て、ビジネスパーソンにとって一つの大きな節目とも言える「年収1000万円」のリアルな実態について詳しく迫っていきます。
1. 男性の中で年収1000万円超を達成している割合は?
給与階級別のデータを男性のみに絞って詳しく見ていくと、年収1000万円超の条件を満たす人の割合は9.7%にとどまります。
男女を合わせた全体値の6.2%と比較すれば男性の方が高い水準ですが、一方で女性の場合をみると1.6%にとどまるのが現状です。同じ年収水準であっても、性別によってその域に達している割合には顕著な開きが存在しています。
2. 年齢を重ねることで男性の給与はどう推移するのか
男性の年齢階層別における平均給与の動きを追うと、年齢の上昇に伴って給与も右肩上がりに増えていく傾向が鮮明に確認できます。
具体的な数値を見ると、25〜29歳では437.6万円ですが、30〜34歳になると511.6万円、40〜44歳で629.5万円、50〜54歳で708.5万円へと着実にステップアップし、55〜59歳で734.6万円に達してピークを迎えます。
この50代後半を迎えるタイミングで、男性の平均給与は1000万円を突破する目安となる水準に近づきます。しかしながら、定年退職や役職定年の節目を迎える60〜64歳に差し掛かると、604.4万円へと急激に減少する点には注意が必要です。
その一方で女性の推移を見ると、25〜29歳の370.1万円をスタートとして、ピークにあたる45〜49歳の368.6万円に至るまで、長期にわたり350〜370万円台のレンジでほぼ横ばいが継続します。男性のデータに見られるような、50代にかけての大幅な給与上昇の波は訪れません。
3. 選ぶ業種によってこれほど変わる平均給与の格差
将来的に年収1000万円を目指すにあたって、どのような「業種」を選択するかは極めて重い意味を持ちます。現に、最も平均給与が高い業種と最も低い業種の格差を計算すると、およそ553.1万円もの開きが出ているからです。
全14業種の中で、平均給与の高さでトップ3にランクインした業種は次の通りです。
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832.4万円)
- 2位:金融業・保険業(702.3万円)
- 3位:情報通信業(659.5万円)
これを男性のデータのみに限定してみると、金融業・保険業が898.1万円、電気・ガス・熱供給・水道業が878.5万円となっており、いずれも900万円の大台に迫る非常に高い水準です。
逆に、平均給与の低さでワースト3となった業種は以下の通りとなります。
- 12位:サービス業(389.1万円)
- 13位:農林水産・鉱業(347.9万円)
- 14位:宿泊業・飲食サービス業(279.3万円)
現在身を置いている業界や、これから新天地として転職を検討している業種がどのポジションにあるかによって、年収1000万円への到達難易度は劇的に変化すると言えます。
4. まとめ:データから紐解く高年収への影響要因
令和6年分の調査結果から明らかになった通り、男性の給与所得者の中で年収1000万円超を稼ぎ出している人の割合は9.7%でした。全体の水準である6.2%は上回っているものの、女性の1.6%という数字と比較すると大きな隔たりがあります。
男性の平均給与は年齢の上昇とともに順調に伸びていき、55〜59歳のタイミングで734.6万円の最高値に達します。
また、業界ごとの違いに目を向けると、男性平均が900万円近くまで跳ね上がる業種がある一方で、300万円を下回る業種も存在するのが現実です。
年収1000万円という目標を現実のものにするためには、年齢による経験の蓄積だけでなく、どの業種を選ぶかという戦略的な視点の双方が強く影響してきます。
元銀行員として資産形成の相談を受ける中でも、家計管理や貯蓄・投資の習慣が将来の資産額を左右するケースを数多く見てきました。収入を増やすことに加え、計画的に資産を育てる視点も長期的な家計づくりでは欠かせないでしょう。
参考資料
中本 智恵